5分で絶対に分かるオフショア開発5分で絶対に分かる (2/6 ページ)

» 2006年09月14日 12時00分 公開
[大津心,@IT]

1分 − オフショア開発の現状を知ろう

 最近では一流人材の確保という期待も大きくなってきたオフショア開発ですが、やはり大部分の発注元企業が目指すゴールは、現地の安い人件費を期待したコスト削減・利益拡大です。

 単純に考えて、人件費の安い国のエンジニアを使ってソフトウェア開発を行った場合、同じ人月で同じ品質のものが出来上がれば、開発原価は下がります。しかし、現実には理想どおりにいかないようです。

 通常、発注元がオフショア開発ベンダへソフトウェア開発を委託する場合、「こんなソフトウェアを作ってほしい」という内容を書いた仕様書を作成します。国内ベンダに委託する場合には、いわゆる「日本の常識」が通用しますので、仕様書内に多少の言葉足らずの個所や説明不足の個所があっても開発サイドが補ってくれます。しかし、海外ベンダの場合は日本の常識が通用しません。そこで、海外の受託ベンダに正しい要求仕様を伝えるためにも、日本と委託先企業の橋渡し役となる「ブリッジSE」が必須になってきています。

 また、人材流出の問題も大きな問題です。社会環境や風習などの違いから、日本よりも起業精神のおう盛な中国やインドでは、特にリーダー級の人材不足が深刻です。優秀な人材ほど、ある程度企業で経験を積んだ時点で独立する傾向が強く、他社からの引き抜きも目立ちます。つまり、現地採用して研修などのコストを掛けても、一人前のリーダーとして活躍する前に離職してしまうケースが多いのです。このため、リーダーの需要が急拡大しているにもかかわらず供給が追い付かない状況になっており、多くのベンダが悩んでいます。

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