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連載:アプリケーションベンダが語るIFRS(1)

ディーバ「IFRSは連結の問題、我々の本丸だ」

垣内郁栄
IFRS 国際会計基準フォーラム
2009/10/19

多くの会計システムはソフトウェアベンダが開発するアプリケーションで構築されていて、ソフトウェアベンダの動向は企業の今後のIFRS対応にも影響を与える。彼らは企業をどう支援しようとしているのだろうか。当連載では主要ベンダに話を聞く。第1弾は連結会計システム「DivaSystem」を開発・販売するディーバ

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――企業がやるべきことは何でしょうか。

森川氏 いま求められているのは上場企業が海外も含めて資金調達をするときにきちんと土俵に乗れるような開示レベルをIFRSで実現することです。連結の制度会計をIFRSに対応させるだけなら、それほど難しい話ではありません。ところが別の議論として管理会計のレベルが連結ベースで行われているか、ということがあります。これができている企業は、まだまだ多くありません。実際、ディーバの顧客に聞いても連結ベースの予算実績管理会計を事業セグメントごとに月次でPDCAサイクルを回せている企業は10%未満です。まだまだ浸透していません。この連結ベースの管理会計をどう普及させるかという点は重要です。

 DivaSystem 9.3ではこの管理会計機能を打ち出しています。目玉はマネジメントアプローチへの対応です。セグメント会計で求められるマネジメントアプローチは、経営者が本当に経営に使っている情報を開示するということですが、現実的には難しいでしょう。ではどうすればいいのか。考え方の1つは、経営者が経営に使える情報を作成し、開示することです。

 これまでの管理会計の情報が経営者にとってなぜ使えないかというと、情報が事業や地域別など経営管理上の意味あるマトリックスになっていなかったからです。この管理会計をきちんと整備すれば分析に利用できるようになります。そこを進めるのが9.3です。経営管理の視点がないと、IFRSといっても表面的な対応ばかりになって、経営管理に生かすことができません。9.3は経営管理そのもののコンバージェンスをして、意志決定に使う情報と開示の情報のギャップを減らしていくことを推進します。

――DivaSystemの開発ロードマップは?

森川氏 今後の開発についてはロードマップを出しています。毎年、バージョンアップする予定で、2009年はコンバージェンス版を発表しました。2010年はトライアル版を出します。何がトライアルかというと制度的に決まっていなくてもIFRSの会計処理を盛り込むということです。IFRSの会計処理に触れていただくことに価値があると考えています。

DivaSystemsの開発ロードマップ(クリックで拡大します)

 中でもトピックになるのは財務諸表の表示形式への対応です。IFRSの表示形式は、まだ揺れ続けると思いますが、包括利益会計が入り、BSとPLとCFが串刺しで見えるというのは基本的に変わらないと思います。それを先取りして機能として盛り込み、変化を実感してもらいます。2011年のアドプション版は実際にIFRSを先行適用する企業が実際に開示できるようにします。

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