浦添市役所OSSデスクトップ実証実験結果、「端末台数が多いほどコスト優位」

2006/8/1

 サン・マイクロシステムズは7月31日、IPAの2005年度公募事業において、沖縄県浦添市役所の基幹業務システムとOpenSolarisのディストリビューションの「Solaris 10デスクトップ」環境が共存・連係か可能であることが実証されたと発表した。

 IPAの公募事業「自治体におけるオープンソースソフトウェア活用に向けての導入実証」は、自治体におけるオープンソースソフトウェア(OSS)を活用したデスクトップ環境の普及促進に向けて、OSSデスクトップから既存資産を利用する移行方法の確立、導入ガイドブックの取りまとめ、サポート内容の明確化などを目的に実施されたもの。

 沖縄県浦添市役所における実証実験は、自治体のIT環境整備と維持・管理における課題である「コストの肥大化」「高レベルのセキュリティ対策」「地場産業の育成」といった点に関するOSSによる課題解決の検証を目的に、2005年11月中から2006年6月末にかけて実施された。システムの構築はおきぎんエス・ピー・オーが担当した。

 実証実験の結果としては、コスト面では「初期コスト」「PC管理コスト」「ネットワーク管理コスト」の3点より検証、端末導入台数が多いほどOSSシンクライアント環境でコスト優位性があることを実証した。セキュリティ対策の面では、「セキュリティパッチ適用検査」「ネットワーク上のデータ盗難」「外部媒体によるデータ抜き取り調査」などの観点より調査、OSSシンクライアント環境が高いセキュリティを確保できることを実証した。既存環境の利用継続性の面では、浦添市役所で稼動している基幹業務システムをOSSミドルウェアであるrdesktopを利用し、OSSデスクトップ環境上で80%以上が問題なく稼動、地場産業の育成の面でもOSSの活用はユーザーに対するソフトウェア技術の提供、技術習得の容易さなどから地場の企業の参入機会を広げ、自治体システムの構築に参入可能であることを実証した。

 このほか、OSSデスクトップ/OSSシンクライアント環境とWindowsデスクトップ環境の比較検証も行われ、実験後に浦添市役所職員約90名に対してアンケートを行ったところ、70%以上がOSSデスクトップ環境/OSSシンクライアント環境を利用して日常の業務が可能という結果が得られた。

[関連リンク]
サン・マイクロシステムズの発表資料
情報処理推進機構(IPA)の自治体導入実証成果公開資料

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