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■情報理論
 
サーチアーキテクチャ――「さがす」の情報科学
●吉川 日出行=編著
●ソフトバンク クリエイティブ 2007年10月
●2400円+税 978-4-7973-4103-4
 IT化の進展により情報は増える一方で、再利用されず捨てられる運命にあるデジタル情報も多い。その原因を「上手に探すことができていないため」と考えた筆者が、デジタル情報の「形式知」に焦点を当て、効果的な入手方法や検索エンジンの使い方を詳述する。
 検索には「既知情報検索/再入手」「探求検索」「巡回/捜索」「散策」の4つのシーンがある。その「さがす」という行為では、異なる目的やゴールに合わせて最適な機能や使い勝手を備えたツールを使い分けるのが理想的だ。検索エンジンは「既知情報検索/再入手」で最も効果を発揮するツールであるが、ほかの3つのシーンでもそれなりの効果がある。
 イントラネットにおける新着コンテンツ、ドキュメント更新のモニタリングにRSSリーダーが普及してきているが、検索エンジンのクローリング機能をファイルサーバ上のファイルの状態監視に利用することもできる。このような特徴を生かして、情報の改ざんや不正アクセスの発見、コールセンターの稼働状況把握などに使う新しい事例も出てきている、という。
 検索エンジン系のツール特性やサーチの仕組み、検索結果の表示順の重要性を扱うほか、ツールだけでは探せない本当に価値ある情報を見つけるための「情報の体系化」にも言及する。検索エンジンをビジネスシーンにどう生かすかまで踏み込んでおり、イントラネットの情報活用や暗黙知の形式知化に悩む方にとってヒントになりそうだ。(ライター・生井俊)
 
東大式 絶対情報学
●伊東 乾=編著
●講談社 2006年3月
●1500円+税 4-06-213371-7
 全学必修・文理共通科目「情報」で東京大学の教壇に立つ筆者は、「応用絶対音感」と原理的に同じ感覚のトレーニングを活用し、初心者でも無理なく自然に「IT知」の技法が身に付くよう工夫した授業を展開している。そのノウハウをまとめたのが本書だ。
 情報化社会の波を乗りこなしていく上で、私たちが身に付けておくべき知的反射神経を「絶対情報感」として整理し理解していくことが大切だ。絶対情報感は、必要に応じて立場を変えて情報を「認知・観測」できる知的反射神経として、「第一人称性」「第二人称性」「第三人称性」情報感から構成される。第二人称は簡単にいうと「相手への思いやり」で、第三人称は自分自身を含めた全体像を客観的に感知できる能力を指す。これらの情報感覚を駆使して、自在に仕事を組み立てていく全体感覚を「絶対情報感」と呼ぶ(イントロダクション)。
 絶対情報感の「感」は英語でいえばセンスとなる。このセンスには大きく分けて、感覚・意識・意味・判断力の4つの意味がある。これらはすべて、半自動的・半反射的に身に付いていることが重要だ。「爆発的な情報の洪水」に太刀打ちするためには「知的反射神経訓練」が必要になる。その1つとして、自分の手の特性を知り、ウォーミングアップとして指のストレッチなどを行ったうえで、タッチタイプをすることで効率的に、適切な効果を上げることができる、と説く(レッスン1)。
 タッチタイプ、Web速読、プレゼンテーションを受け止め評価するアプリシエーションのトレーニング方法のほか、メールの書き方、プレゼンテーションに生かすマジックナンバー7±2、オリジナリティに関する3つのルールなどを取り上げる。これらは示唆に富み、真似てみることでIT初心者だけでなく、上級者にもさらに飛躍するポイントが見つかりそうだ。(ライター・生井俊)

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