世界最高速の無線LAN開発に成功
郵政省通信総合研究所

2000/5/19

 郵政省通信総合研究所は、片方向156Mbps、双方向で312Mbpsという世界最高速の無線LANの開発に成功したと発表した。38GHzのミリ波帯を利用し、パケット伝送方式に集中制御方式を採用した。現在一般的に利用されているイーサネットである100BASE-TXの3倍以上の速度と、通信混雑時にも伝送効率が落ちにくい新しい制御方式で、音声や映像といったマルチメディア情報の電送に適し、スムーズにやりとりできるのが特徴。

 無線アクセスプロトコルに採用されたのは、同研究所で開発されたRS-ISMAと呼ばれる方式。従来のイーサネットや無線LANに利用されていたCSMA/CAは、各ノードがランダムに電送を開始し、パケットの衝突を検出した時点でノードがお互いに調整する、分散制御方式だった。新しいRS-ISMA方式では、アクセスポイントとなる局が、各ユーザ局に対して通信可能なタイミングを知らせる特別な短時間の制御信号を周期的に送信することで通信制御を行う。こうして集中的に制御を行うことで、異なる発生周期や長さをもつマルチメディア情報の伝送にも柔軟に対応できるという。これにより、QoSの保証と、マルチキャストにも対応した。

 今回は室内に4台のPCを設置して実験を行ったが、同研究所では今回開発したシステ ムを元に、屋外の超高速無線アクセスシステムの研究開発へ発展させていく予定だという。

[関連リンク]
郵政省 通信総合研究所の報道発表

 

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)