マイクロソフトが.NETに向けた新言語「C#」を発表

2000/6/28

 米マイクロソフトは、.NETプラットフォーム上で動作する、XMLベースのWebサービスを構築するための新しいオブジェクト指向プログラミング言語、C#(シーシャープ)を発表した。

 マイクロソフトによると、現存の開発ツールはWebが誕生する前のスタンダードな技術がベースになっているため、最新のWebソリューションの構築には必ずしも適合しないのだという。C#は、始めからWebを意識したプログラミング言語のため、最新のWebテクノロジーをフルに駆使できるという。

 C#はC/C++に非常に近い文法を持ち、C/C++プログラマには非常に馴染みやすい言語仕様をもつ。一方で、Javaに非常によく似た特徴をもち、たとえばガベージコレクションがあったり、変数の初期化が不要だったりする。これらの特徴が、プログラマのプログラミングミスを減少させ、開発コストを大幅に削減するという。

 実は、C#はCOMと密接に関係している。C#で書かれたすべてのオブジェクトは自動的にCOMライクなオブジェクトになる。しかしプログラマは、従来のようにIUnknownインターフェイスはもちろんのこと、その他のCOMインターフェイスを意識する必要がない。

 JavaとCOMの特徴を混ぜたような仕様を持つC#だが、もう一方の特徴として、プログラマにメモリ管理とポインタ操作、ネイティブなAPIへのアクセスも許可している。これは、C/C++が持つ特徴と同様に、プログラムに高いパフォーマンスを与える。

 C#は、Visual Studio 7.0に搭載される予定だ。C#を言語とする新しいツールが誕生するのでなく、Visual C++やVisual Basicから利用することができるという。  C#はC++のパワーとVisual Basicのような扱いの易しい開発言語だ。C/C++に慣れたプログラマであれば、C#を利用することによって、非常に高い生産性とクオリティでXMLベースのアプリケーションを容易に構築できるという。

 C#は、7月11日より米国オーランド開催されるPDC(Professional Developers Conference)にてプレビュー版が配布され、より全貌が明らかになる。

 また、マイクロソフトは、C#言語仕様をECMA(欧州コンピュータ製造工業会)に提出し、業界標準言語としてのポジションを獲得しようとしている。

[関連リンク]
米マイクロソフト発表のリリース「Microsoft Introduces Highly Productive .NET Programming Language: C#」
米マイクロソフト発表のリリース「Microsoft’s C# Programming Language Offers Developers Greater Productivity and Potential of .NET Platform」

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