電子出版サ―ビス、今夏より始まる

2001/4/17

eBook Reader英語版のライブラリ表示画面

 イーブックイニシアティブジャパンは4月16日、アドピシステムズが開発中の「Adobe Acrobat eBook Reader 2.1日本語版」がリリースされ次第、このeBook Readerに対応したイーブックコンテンツの販売を開始すると発表した。「Adobe Acrobat eBook Reader 2.1日本語版」は2001年夏にリリースされる予定だ。

 イーブックイニシアティブジャパンでは、このAcrobat eBook Readerに対応したコンテンツとして、村上龍氏の書き下ろし短編、ビッグ錠氏、村野守実氏の書き下ろしなどを予定している。また、モンキー・パンチ氏、里中満智子氏、水木しげる氏の作品が初めてイーブックとなり、Acrobat eBook Reader 2.1日本語版で読める最初の作品となる。

 また、同社ではPDF(Portable Document Format)をイーブックのフォーマットとして標準化を進めていく。

 「Adobe Acrobat eBook Reader 2.1日本語版」は、アドビシステムズが現在開発中で、今夏ダウンロード開始予定。Adobe Acrobat ReaderがPCユーザー向けのPDF閲覧ソフトであるのに対して、eBook Readerは一般ユーザー向けに開発され、eBookの購入、閲覧(読む)、整理の3つの機能を簡便に扱うことに特化されている。対応OSは、各種WindowsとMac OS 9.0/9.1。配布はダウンロード(無償)により行う。

ebook Readerのイーブック閲覧画面

 また、アドビシステムズでは、eBookソリューションの展開として、eBookを配信するための「Adobe Content Server」を用意している。このContent Serverを利用することで、違法コピーや、改ざんなどから保護することができる。また、配信する側は、印刷枚数の制限やテキストの抽出回数の制限などを自由に設定できる。対応OSは、Windows NT4.0/2000で、年間契約のライセンス料が5000ドル、ロイヤリティがコンテンツ1部につき定価の3パーセント。国内では、eBook Reader日本語版の配布と共に営業活動を開始する。

 米国では、すでに4月10日に米Adobe SystemsとAmazon.comが、Acrobat eBook Readerの配布に関する提携が発表されている。Amazon.comはeBookストアを通じて、独占販売される書籍を含む大手出版社の合計約2000冊にのぼるPDFのeBookを販売する。両社は、今後12カ月以内にAmazon.comのインターナショナル・サイト(日本、フランス、イギリス、ドイツ)においても提携事業を展開していく予定。

[関連リンク]
イーブックの発表資料
アドビシステムズ
アドビとアマゾンの提携の発表資料

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