半導体の集積率の限界を破壊、次世代のトランジスタ技術に目処

2001/4/28

 米IBMは現地時間4月27日、炭素原子でできた直経数ナノ・メートル(1nm=10億分の1m)のカーボン・ナノチューブを使用した、画期的なトランジスタ技術の確立に成功したと発表した。

 カーボン・ナノチューブは、シリコン素材に換わる次世代のコンピュータ・チップ素材の最有力候補だが、これまで純度の高いナノ・チューブの製造が困難だった。IBMはこの問題を「建設的破壊」という手法で克服した。ナノ・チューブには、金属性ナノ・チューブと半導体性ナノ・チューブがくっつき合って生成される問題があったが、IBMは電気的な衝撃を与えることで、必要な半導体性ナノ・チューブだけを残す手法を確立したという。

 現在、ムーアの法則によれば、1つのチップ上に集積できるトランジスタの数は18ヵ月ごとに倍増するとされている。しかし、10〜20年以内にはシリコンの物理的限界に達し、1チップ上に集積するトランジスター数は増やせなくなると多くの科学者が予測している。カーボン・ナノチューブが実用化すれば、トランジスタのサイズがシリコンベースのもの比べておよそ500分の1で実現することになり、シリコンの限界に達してもムーアの法則が通用することになる。

シリコンウェハーの上にナノ・チューブを張りつけ、電気的衝撃を与える建設的破壊のプロセス(詳細は同社サイトへ)―クリックで拡大します―

[関連リンク]
IBMの発表資料
米IBMの資料(英語)

 

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