BEA、IBM、オラクルが火花を散らす性能合戦

2001/7/13

 米BEAシステムズは米国時間7月11日、同社アプリケーション・サーバ「WebLogic Server 6.1」のパフォーマンスに関してのベンチ・マークテストを発表した。このところ、米オラクルが同社サイト上で、BEAやIBMと比較してパフォーマンスが優れていることを積極的に強調するなど、米国ではBEA、オラクル、IBMの3社間での“背比べ”発表合戦が行われている。今回のBEAの発表は他社の報道に対しての正当防衛といえそうだ。

 2日前の同社の発表は、同社がIBMのアプリケーション「WebSphere Performance Benchmark Sample」を利用して実施したもの。それによると、「WebLogic Server 6.1」の処理速度はIBMの「WebSphere Application Server 4.0」より最大で4倍優れているという。

 これは、5月30日にIBMが発表した、WebSphereとBEAの製品の性能比較結果に対抗したものだといえるだろう。このIBMの発表によれば、WebSphereはBEAの製品と比較して処理できるEJBトランザクション数は1.75倍、JDBCデータベースからのリクエスト数は2倍多いとしている。また、米オラクルも、同社のアプリケーション・サーバであるOracle9i Application Serverの優位性や、開発者の数が多いことを強調するリリースを続けて発表している。7月11日に日本オラクルが行ったOracle9iの発表記者会見では、デモで同社アプリケーション・サーバの処理速度を他社製品と比較して、性能の点で優位にあることを見せた。

 米国では、次世代のeビジネスプラットフォームとして「Webサービス」が利用されることがほぼ確実視されている。それを実現するソフトウェアがアプリケーション・サーバであり、そのため、各ベンダではこの分野の主導権をめぐって、激しい戦いを繰り広げている。一時期、データベース市場でもTPCによる激しい性能競争が続いていた(いまでもまだ続いているという見方もできる)が、アプリケション・サーバ分野でも、市場が十分成熟するまではこうした競争が続くことは必至だろう。

(編集局 新野淳一、末岡洋子)

[関連リンク]
BEAの発表資料
米IBMの発表資料(英語)
米オラクルの発表資料

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