HPがコンパックを買収、巨大企業が誕生

2001/9/5

 米ヒューレット・パッカードは米国時間9月3日、米コンパック・コンピュータを買収することで合意に達したと発表した。買収額は250億ドル程度で、株式の交換方式を取る。買収の手続きは2002年後半に完了する予定だ。

新生HPの会長兼CEOに就任予定のカーリー・フィオリーナ現HP会長兼CEO

 米国の複数のメディアが正式発表の前に報じた後、ヒューレット・パッカード、コンパックのWebサイトにニュースリリースが掲載された。ちなみに9月3日、米国は祝日(労働の日)だった。両社は米国時間9月4日に、株主向けにミーティングを開き、詳細を明らかにすると思われる。なお、この発表は両社の日本法人にも“寝耳に水”だったようで、4日13時に問い合わせに応じた関係者の1人は、「30分前に知った」と語っていた。両社の日本法人の今後の方向性などはまだ未定だ。

 HPらの発表資料によれば、2社の合併により、推定564億ドルの資産を持ち、年間売上高870億ドル、年間経常収益39億ドルの企業が誕生することになる。これは、2000年度の売上高883億9600万ドルの米IBMに次ぐ規模だ。拠点は世界160カ国、従業員数は14万5000人となるという。

 新HPの会長兼CEOは、現HP会長兼CEO カーリー・フィオリーナ(Carly Fiorina)氏(写真)がそのまま引き継ぐ。現コンパック会長兼CEOのマイケル・カペラス(Michael Capellas)氏は、新組織の社長に就任する予定だ。本社はHP本社のあるパロアルトに構え、コンパックの本拠地ヒューストンは開発の拠点とする予定。

 新HPは、企業、そしてコンシューマに完全なITソリューションを提供することをミッションに、4つの事業で構成される。

  • プリンタ事業
  • アクセス・デバイス事業(PCやハンドヘルドなど)
  • ITインフラ事業(サーバ、ストレージ、ソフトウェア)
  • サービス事業(コンサル、サポート、アウトソーシング)

 合併前から2社はサービス分野に力を入れていたが、新組織でも、6万5000人体制をとりサービス事業に重点を置く。両社によれば、この新事業体制のもと、サーバやプリンタ、アクセス・デバイス(PCやハンドヘルド)では世界1位で、ITサービス、ストレージや管理ソフトでも3位以内に入るとしている。

 HPのフィオリーナ会長は、「(コンパックの買収は)HPの戦略を推し進めるうえで非常に重要な出来事。これにより、HPの顧客やパートナーにこれまで以上の価値を提供できるようになる」と述べている。合併によるメリットは、「2つの高度な組織と製品群が結合するだけでなく、コスト構造に優れ、新しいオポチュニティへ容易にアクセスできる組織を形成すること」(フィオリーナ氏)。両社では、この合併により年間250億ドルのコストを削減できるため、コスト効率が向上するとしている。

 コンパックのカペラス会長は、「HPとともにこれまでにない業界のリーダーを目指す。顧客の成功、世界規模のエンジニアリング、ベスト・オブ・ブリードの製品とサービスをベースとした企業だ」と述べている。

 2社ともに、ここ1、2年、業績が芳しくなく体制の変更を試みていた。2社の合併により誕生する新HPは規模の点で、サーバではIBMやサン・マイクロシステムズ、コンシューマではデル・コンピュータやゲートウェイにとって脅威となるだろう。9月6日に47歳の誕生日を迎えるというフィオリーナ氏の手腕がますます注目される。

(編集局 末岡洋子)

[関連リンク]
米HPの発表資料
米コンパックの発表資料

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