ストレージ管理にオートメーションをもたらすEMCの新製品

2001/11/6

 イーエムシー ジャパンは11月2日、ストレージ管理ソフトウェアの新製品を発表した。同社が先日打ち出した新ビジョン“Auto IS(オート・インフォメーション・ストレージ)”を実現する製品となる。

 この日発表された新製品は、ストレージ管理ソフトウェアの「EMC ControlCenter/Open Edition」、管理ミドルウェアの「WideSky」と、複製ツール「EMC ControlCenter(ECC) Replication Manager」、レポーティング・ツール「EMC ControlCenter(ECC) StorageScope」の4製品。

 同社は今年8月、“Auto IS”として、ヘテロジニアス(異機種混在)環境で、シンプル、オープンかつ自動化されたストレージ管理を提唱した(「「ストレージ史上の一大進化」、EMCの新ビジョンは“オートIS”」参照)。新しく発表された製品は同ビジョンの基盤をなすもので、「Auto ISの第1章」と、説明を行った米イーエムシー 上級副社長兼CTO ジム・ロスニー(James B. Rothnie)氏は言う。

包括、自動、オープンが特徴のプラットフォーム

 Auto ISは、主要なタスクを自動化することにより、コスト削減・エラー排除を目指すというもの。ControlCenter/Open Editionはその基盤となるプラットフォームで、この上にミドルウェアやツール群が載る。

 ControlCenter/Open Editionの特徴は、包括性、統合、オープンの3つ。包括性とは、検出、監視、自動化、リソースの動的提供、レポーティングなどの機能を指す。統合では、Auto ISの全ソフトウェアやツールに共通のデータ・レポジトリとインターフェイスを持たせた。これにより、全管理ツールのレポジトリへのアクセスが可能となる。そして、3つ目のオープン性とは、ヘテロジニアス環境への対応。APIを提供するミドルウェアWideSkyにより、同社のストレージ製品はもちろん、日立製作所など他ベンダの製品を含むストレージ・システムの一元管理も可能となる。

ディスクベースのデータ複製ソフトウェア

 ECC Replication Managerは、データの複製処理を簡素化・自動化するソフトウェア。ディスクの迅速な複製は、データが日々生成される中で、大きな課題の1つだ。これまでデータのバックアップやリカバリには、テープを用いることが多かったが、同製品はディスクベースのソリューション。「EMC TimeFinder」や「EMC Clarix SnapView」などの複製技術と組み合わせて運用し、ほぼすべてのデータ複製処理の自動化が可能という。

 データの可用性に関しロスニー氏は、9月11日に米国で起きた多発テロ事件で、WTC(世界貿易センタービル)に25カ所あったEMC製品のデータセンターがすべて破壊されたことに触れた。「このような非常事態でのデータ保護手段は、リモート・ミラーリング、現時点ではこれしか存在しない」。同社はミラーリング製品「SIDF」を持つが、この事件でもSIDFが活躍し、ほとんどのデータが普及できたという。だが、このような非常事態でデータが消失することはまれで、データ消失の70%以上は、ソフトウェアのエラーやオペレータのエラーが原因で起こっているという。

 同社が発表したもう1つのソフトウェアECC StorageScopeは、管理レポートツール。ヘテロジニアスのストレージ・システムにおいて、ネットワーク、ホストのリソース・プランニングなどが可能となる。

[関連リンク]
EMCの発表資料(ストレージ管理ソフトウェア)
EMCの発表資料(「WideSky」)
EMCの発表資料(「ECC Replication Manager」)
EMCの発表資料(「ECC STORAGESCOPE」)

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