ラスト“1メートル”の問題を解決する新資格制度とは?

2002/2/6

 三井物産とマイクロソフトは2月5日、家庭や中小企業へのブロードバンド普及促進を支援する資格制度「ネットエキスパート」の確立を目指して、「ネットエキスパート制度推進協議会」を発足した。両社が同協議会の事務局を担当し、今後、ブロードバンド接続関連企業に対して幅広く参加を求めていく(2月5日時点で、37社が参加)。

 「ネットエキスパート」は三井物産が提唱する資格制度である。ADSL/CATV/FTTHなどのブロードバンド接続サービスによって家庭やオフィスに引き込まれた回線を、いかにPCに接続しネットワークを構築するか。この部分でトラブルを抱えるユーザーは意外と多い。ブロードバンド接続の広がりとともに、今後よりいっそうトラブルを抱えるユーザーは増えてくるだろう。同社では、この現象を「ラスト1マイル」ならぬ「ラスト“1メートル”」問題と名付け、これらの問題を解決するエキスパートを育成していく。

 ネットエキスパートに求められる技術範囲は、(1)ネットワークへの最終接続設定、(2)無線LANを含む小規模LANの構築、(3)セキュリティ対策の基礎、となっている。また、習得技術のレベルに応じて2種類のコースが用意されている。

  • ネットエキスパート1種〜プロフェッショナルコース
    (電気工事会社、サポート業者、PCベンダ向け)
    ネットワーク接続設定とLAN構築に関する知識の習得、実技訓練

  • ネットエキスパート2種〜ベーシックコース
    (一般ユーザー向け)
    ブロードバンドに関する基礎知識の取得

 資格取得には、スクールでの講習と検定試験の2段階のステップが想定されている。プロフェッショナルコースの場合、受講料が約20万円で検定料が約1万円、ベーシックコースの場合、受講料が約3万円で検定料が約5000円となっている。資格の取得後は、最新情報の提供のほか、定期的なスキル・チェックが行われる。2002年3月ごろより、同制度のベータ・プログラムの試験運用開始を行い、6〜7月ごろより本格的な制度の運用をスタートしていく。

[関連リンク]
三井物産
マイクロソフト

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