次に重要なのはWebサイトのアクティビティ

2002/3/16

 Webサイトに関するコンサルティング業を行っているソシオメディアは3月14日、米ユーザブルネットが開発したWebサイトアクセシビリティ診断・修正ソフト「LIFT for Macromedia Dreamweaver」日本語版を、5月下旬より発売すると発表した。パッケージとダウンロード版があり、価格は6万5000円。

 Webサイトアクセシビリティとは、障害者や高齢者を含め、だれもが利用できるようにWebサイトでのバリアフリーのこと。

ソシオメディア代表取締役 篠原稔和氏

 インターネットの普及により、行動に制約の多い障害者でも情報を簡単に入手できるようになった。その一方で、注目度を高めるためにイラスト、アニメーションなどを駆使したサイトなど、障害者・高齢者を考慮していないサイトが多くあるのも事実だ。視覚障害を持った多くのユーザーは、音声ブラウザを使用し、Webサイト情報を耳から得ているが、ALT属性(画像などのイメージを代替する文字情報)のない画像は、理解することができないのが現状だ。また、音声情報は一度に1つの情報しか伝えられないため、健常者がひと目で判断できる表組みやフレーム全体を把握することは難しい。視力の低下している高齢者においても、小さな文字が読みづらいといった問題が多々ある。

 そこでこれらの問題を解決するために、2000年ごろから総務省、自治体などがアクセスビリティを配慮したWebサイトづくりを奨励する動きがでてきた。そこでソシオメディアは、この動きを受けて同製品を販売するという。

 「LIFT for Macromedia Dreamweaver」は、2001年12月米ユーザブルネットが発売したソフトウェアで、マクロメディアのWeb制作ソフトウェア「Dreamweaver」上で動作する。障害者や高齢者を含めただれもが利用できるような“アクセシビリティの高い”Webサイト構築を目指し、Webコンテンツのアクセスビリティを診断・修正できる。現在米国連邦政府、米国航空宇宙局、米国教育省、アリゾナ大学、デューク大学、ボーイング、KPMGなど200以上の行政・教育機関、企業などが採用している。開発/販売元のユーザブルネット代表 パオロ・ブレイニーク(Paolo Brajnik)氏は、「発売開始2カ月で行政・教育機関など200以上の採用実績を残せた。今後はDreamweaver以外のプラットフォームにも対応し、500万人のWeb制作者に対して同製品を送り出したい」と意気込みを語る。

 また、ソシオメディア代表取締役 篠原稔和氏は、「IBMなど競合他社ともユーザビリティに関してともに強調していきたい」と将来のWebサイトアクセシビリティに対する同社の姿勢を語った。

 同製品の特徴は、W3Cの「Webコンテンツアクセスビリティガイドライン(WCAG1.0)」「米リハビリテーション法 第508条」への準拠、「インターネットにおけるアクセシブルなウェブコンテンツ作成に関する指針」のガイドライン項目、機種依存文字、半角カタカナなどのチェック項目を制作時に診断し、「修正ウィザード機能」「ALTエディタ機能」などにより、HTML文の問題個所を修正できる点、診断した結果を「レポート作成機能」により問題点として摘出し、Web制作の発注者や運営責任者などに対して、アクセシビリティの状態を報告できる点だ。このレポートを使うことにより、制作現場における品質管理や発注者に対する品質保証のためのツールとして使うことができる。

 今後の展開として、ソシオメディアでは、iモードコンテンツの制作基準に関するチェック機能や、企業ごとの独自ガイドラインのカスタマイズサービスなどを追加する予定。また Dreamweaver MXや他社オーサリングソフトウェアにも対応する予定。

[関連リンク]
ソシオメディア発表資料
UsableNet

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