シスコの無線LANアクセスポイントはIEEE 802.11aにも対応

2002/5/23

「Cisco Aironet 1200 シリーズ」

 

 シスコシステムズは5月22日、IEEE802.11bに準拠した無線LANアクセスポイントの新製品「Cisco Aironet 1200」シリーズを発表した。現時点で最大11Mbpsのデータ転送速度をサポートするが、今後普及が予想されるIEEE 802.11a(最大転送速度54Mbps)やIEEE 802.11gへの対応も行えるようアクセスポイント本体と無線モジュールが別々となるモジュラー構成を採用している。
 
 11a規格の無線モジュールは02年第3四半期に出荷する予定。11g規格に関しては、Intersil社と共同でのチップ開発を02年2月に発表したばかりで、現時点では提供時期は未定。

 アクセスポイントの本体価格は16万2000円。11b規格の無線モジュールをセットした価格は24万4000円。11a規格のモジュールは8万2000円を予定している。

 同製品の最大の特徴について、同社マーケティング本部 アクセススイッチング部 担当部長の大金日出夫氏は「競合製品には実現できないセキュリティの高さ」と言う。
 
 「Cisco Aironet 1200」シリーズでは、IEEE 802.1X規格とEAP(Extensible Authentication Protocol)をベースとするソフトウェア「Cisco Wireless Security Suite」を用意し、EAP Cisco Wire-less(LEAP)やEAP-TLSを利用した認証形式など、802.1Xの認証をすべてサポートする。また、Cisco Secure Access Control Serverなど同一の認証形式をサポートするRADIUSサーバと組み合わせることで、集中管理が可能なセキュリティ・ソリューションを提供できる。
 
 今回の発表にあわせて来日した、米シスコシステムズ ワイヤレスネットワーク製品事業部門担当副社長兼ジェネラルマネージャのビル・ロッシ(Bill Rossi)氏は「企業における無線LANソリューションの導入は、確実に生産性の向上に寄与する。今後の爆発的な普及は間違いないにもかかわらず、なぜ現時点でそれほど普及していないのか。それは、企業が無線LAN導入によるセキュリティ・リスクに大きな懸念を抱いているからだ」とセキュリティ対策の強化が無線LANソリューションの普及に不可欠な要素であることを指摘した。

 同社によると、現在、無線LAN市場におけるシスコのシェアは全体の18%程度。しかし、企業市場に限れば37%にまで跳ね上がるという。ロッシ氏は「セキュリティ対策をクリアすれば、無線LANの普及は確実に進む。今後1年間で、シスコの(企業市場の)シェアは60%程度まで拡大する」と強気の予測を示した。

(編集局 谷古宇浩司)

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シスコの発表資料

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