システム案件の小規模化・短期化で、SI事業は曲がり角へ

2002/5/23

 NTTソフトウェアは5月22日、平成13年度の業績を発表するとともに、今年度の重点分野を明らかにした。「システム案件の小規模化は避けられず、納期も短期化し、技術的要求も複雑化しつつある」と同社 代表取締役社長 鶴保征城氏は語り、SI事業が新たな局面に差し掛かっていることをうかがわせた。

NTTソフトウェア 代表取締役社長 鶴保氏 「大規模システム構築を前提としたソフトウェア工学が適用できなくなってきた」

 同社は前年度(平成13年度)、売上高544億円、経常利益2億円となり、予想と比較して、減収増益となった。これに関して、鶴保社長は「受託開発ではなく、提案型の案件が増えた結果。また、案件が小規模化し、(外注に対して)内製の比率が増えた」とコメントした。

 同社は昨年より、「IPプラットフォーム構築」「モバイル応用」「ECフロントシステム」「ECバックボーンシステム」の4つを重点分野として掲げているが、順調だったのは、2点目のモバイル応用。NTTドコモの3G関連の案件などが影響したという。それに対し、3点目、4点目は予想を下回った。「これらは結果が見えにくい分野。景気低迷により、効果の見えにくい部分に投資を抑える傾向が強かったため」という。

 今年度も、4つの重点分野に関しては引き続き進めていく。それぞれの売上目標も発表したが、前年度から大きく目標値を上げているのは3点目のECバックボーンシステムだ。これは、EAIやBtoBといった統合の分野で、各ベンダが注目している市場でもある。「EAIは早くから着手していた分野で、弊社は日本でEAIを手がけられる数少ない企業だ」と鶴保社長は自信を見せる。Webサービスについても、「本格化には時間がかかる」としながら、立ち上げを行うという。

 これらに加え、全分野でブロードバンド対応を進めていく。著作権管理、配信、認証、課金など、これまでのシステム構築案件で蓄積してきたノウハウや技術を生かして、BtoCを中心に展開していくという。

 今年度の目標は、売り上げが480〜500億円、経常利益が5億円と、売り上げに関しては前年度比マイナスとなることを見込んだものだ。この理由について、「大規模な案件が減り、減収は今後避けられない傾向」と述べた鶴保社長は、対策として、「今後は小さな案件で利益を獲得しつつ、社員一人一人の技術をアップさせる」と述べた。

(編集局 末岡洋子)

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NTTソフトの発表資料

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