統合技術にWebサービスを用いたポータル製品

2002/6/15

 ポータルソフトウェアベンダのプラムツリーソフトウェア・ジャパンは6月14日、ポータルプラットフォームの最新版「Plumtree Corporate Portal 4.5WS」を発表した。認証や検索などの機能のWebサービス化が最大の特徴となっている。

同社 代表取締役 実吉弓夫氏 日本ではすでに8社の顧客を持つという。成功するポータル導入のコツは、「どのコンテンツをどのように提供するかをじっくり検証すること」

 情報のパーソナライズなどの利点から企業ポータルは成長市場の1つ。現在この市場は、IBMやBEAシステムズなどのアプリケーションサーバ・ベンダやマイクロソフトの参入により、ポータル専業ベンダは数としては減少傾向にある。米プラムツリーは1997年に創業、ポータルベンダとして事業展開し、顧客数は約400社、ユーザー数は500万人という。米ガートナーなど主要調査会社の最新の市場調査結果では同社はシェア上位のベンダに位置付けられている。日本法人は昨年末に設立された。

 同社製品では、アプリケーション、ドキュメント、コラボレーション機能の3種類のコンテンツを、ポータル化できる。ポータルの種類も、グループで使う「コミュニティ型」と個人を対象にした「マイページ型」と、柔軟に対応できる。

 最大の特徴は分散型アーキテクチャ。Webサーバとポータルエンジン機能を持つCorporate Portal 4.5WS下にガジェットサーバを置き、CRMやERPなどのアプリケーションやデータベースと接続するという構成だ。“ガジェット”とは“ポートレット”とほぼ同じ意味で、このガジェットサーバがそれぞれのアプリケーションに応じたつなぎのサーバの役割を果たす。開発済みのガジェットは2000個以上あり、ほぼすべての主要なアプリケーションをサポートするという。

 新製品では、ガジェットのほか、認証、検索、ドキュメントのデータ抽出に関してWebサービス技術を採用し、HTTPとSOAPのプロトコルを用いて通信可能とした。これにより、ファイアウォールの制限という課題を解決するほか、ガジェットなどが開発環境に縛られることなく開発できるようになる。

 新製品ではこれ以外にも、マルチ言語検索が可能となるなど検索エンジンにも強化が図られている。

 同社 代表取締役 実吉弓夫氏は、プラットフォーム非依存性や導入期間が短いことを差別化として挙げ、グローバル企業や合併や統合でITの異文化が共存する企業などに適しているとした。

(編集局:末岡洋子)

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プラムツリーソフトウェア・ジャパン

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