主力DB事業がマイナスに、日本オラクルが決算を発表

2002/7/17

 日本オラクルは7月16日、2002年5月期の決算概要および来期の見通しや戦略を明らかにした。今期の業績は、主力ビジネスのデータベース分野が減益減収となるなど、総じて前期比マイナスが目立つ結果となった。

 同社の今期の業績は、売上高863億2000万円(前期比1.6%減)、営業利益310億1700万円(前期比2.7%減)、経常利益310億9500万円(前期比3.2%減)と前年を下回る結果となった。

 主力ビジネスのデータベースを含むデータベース・テクノロジー分野では、フラッグシップ製品「Oracle9i」を昨年秋にリリースしたにも関わらず、UNIXベース、IA(Linux、Windows)ベースともにシェアを落とした上、売上高も前年比14.5%減の445億7800万円にとどまった。現在、UNIXベースの国内RDBMSのベンダ別内訳(出荷金額ベース)で同社はシェア68.3%、IAベースでは47.7%。いずれもシェアトップの座を固持しているものの、パーセンテージは落としている(IDC Japan調べ)。同社では、主な理由について、高いシェアを誇るUNIXの総需要自体の低調を挙げ、足を引きずられた格好としている。マイクロソフトの追い上げが激しいIAベースでは、価格改定後、順調に推移しているとの見解を示した。

 同社にとって新規参入市場となるERPやSCMなどのビジネス・アプリケーションズ分野では、売り上げが34億5200万円で前年比31.5%減。先のデータベース・テクノロジー分野とあわせたソフトウェアプロダクト部門は総じてマイナスとなった。

 一方のサービス部門は、ソフトウェアプロダクト部門とは対照的に好調さを示す結果となった。サポート、エデュケーション、コンサルティングの3つのサービスで構成される同部門はいずれも数字を伸ばし、合計の売上高は38億3320万円で、前年比25.5%の増となった。総売上高に占める構成比も全体の44.4%と前年から10ポイント以上の増加で、前年の65.2%から55.6%と比率を落としたソフトウェアプロダクト部門とは対比をなした。営業利益では、サービス部門は今期初めてソフトウェアプロダクト部門を上回っている。同社は、長期的に見たライセンスの売上げ減を見越し以前からサービス部門に注力してきており、実を結びつつあるといえる。

 来期の見通しについては、売上高は886億円で今期の2.6%増だが、営業利益や経常利益に関しては、それぞれ、前年比14.2%減の266億円、同14.5%減の266億円と見積もるなど、保守的な数字を打ち出した。部門別内訳では、データベース・テクノロジーではマイナスを見込んでいるものの、ビジネス・アプリケーションズ、サービス部門ではプラス成長を維持できるとしている。

 ビジネス・アプリケーションズについては、昨年後半に底を打ち、徐々に上昇傾向にあるという。同社 代表取締役社長 新宅正明氏は、「2002年度は既存顧客への販売の遅れなどによりビジネスチャンスを逃した」と反省を述べ、今後既存顧客に対し、新規モジュールを積極的に提案営業していくと戦略を語る。

 データベースについては、「数が多いところに施策が必要」と競争が激化しているローエンドのIAベース市場におけるさらなる競争に挑む姿勢を見せる。「マイクロソフトにはないLinuxのサポートで競争優位に立てる。また、価格面でも新たに導入したプロセッサプライスではMSを下回る価格を実現している」と新宅氏。9iの最大の特徴であるクラスタ機能や、インテルとの強力な関係を背景に、IAベース市場はハイエンド、ローエンドともに意欲的に展開していく模様だ。データベース分野でもうひとつの焦点が、新規市場。具体的には、ブロードバンド、電子政府、ライフサイエンスの3分野でデファクトとなることを狙っていくという。

 また、アプリケーションサーバ市場にも意欲を見せる。日本市場は国産ベンダが独自製品を展開していることなどから市場が異なるとし、固定しつつあるアプリケーションサーバ市場に積極的に打って出て変化を与えていきたいとした。現在、アプリケーションサーバ事業が占める割合は低いものの、先日も新バージョンを発表するなど、世界的戦略として強化分野と位置付けているという。

(編集局 末岡洋子)

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