プライベート認証局がルート認証局に変身、RSAの新サービス

2002/9/18

 RSAセキュリティは、企業などが構築したプライベート認証局に対して、ほかの企業や自治体からも信頼されるよう、ルート認証の機能を与えるサーバソフトウェア「RSA Keon Root Signing Service」を発表した。取引先の拡大やグローバル展開で、自社以外でも通用する証明書を発行したいという企業の要望に対応する。

RSA セキュリティの代表取締役社長 山野修氏は、「RSA Keon Root Signing Serviceを使えばあたかも自社で認証サービスを行っているように見える。会社自身の信用も向上する」と、導入のメリットを強調した

 RSAの代表取締役社長 山野修氏はRSA Keon Root Signing Serviceについて、「SSLなどを社内だけで使う場合はルート認証は必要ない。しかし、規模の拡大で取引先との電子商取引を広げたいという企業は、ルート認証局の証明書の発行が必要になってきた」と背景を説明した。

 RSA Keon Root Signing Serviceは、企業のプライベート認証局に対して米RSAのルート認証局が認証を与えて、ルート証明書を発行できるようにする仕組み。これによって企業は社内外のクライアント証明書をはじめ、SSLサーバ証明書やデバイス証明書、コンテンツ証明書を発行できるようになる。Webアプリケーションや電子商取引アプリケーション、セキュリティを確保した電子メール、Webサービスなどの展開が容易になるという。

 企業はこれまで対外的な電子商取引を行う場合、パブリック認証局の認証サービスを利用してきた。RSAが発表したRSA Keon Root Signing Serviceもパブリック認証局と同様に、対外的に通用する証明書を発行する。だが、パブリック認証局との最大の違いは、発行に関するコストを大きく削減できる点だ。パブリック認証局が電子証明書を1通発行するのに2〜3000円がかかるのに対して、RSA Keon Root Signing Serviceを使えば3分の1から4分の1になるという。一度しか利用しないような証明書も、それほどコストを意識せずに発行できる。

 RSA Keon Root Signing Serviceを使えば、証明書を即時に発行できるようになることも大きい。パブリック認証局ではサーバ証明書を発行するのに3日、クライアント証明書を発行するのに1日ほどかかるとされているが、RSA Keon Root Signing Serviceは自社のプライベート認証局を使うため、即時に発行できる。コンテンツ向けなど一括して大量の証明書を発行することも簡単だ。自社のブランドで証明書を発行できるというのも、世界でビジネスをしている企業などにとっては、ブランド価値の向上につながり、メリットになるだろう。

 RSA Keon Root Signing Serviceは100サーバで使う場合、278万円。1万クライアントで使う場合は年間利用料が400万円となっている。

 RSAは、RSA Keon Root Signing Serviceの提供開始に伴い、インテック、インテック・ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクスと提携した。インテックは業務システムの設計や運用、保守を行い、インテック・ウェブ・アンド・ゲノムはPKI・暗号関連システムの開発を担当する。

 3社はサーバやクライアントを多数保有する大企業のグループや通信事業者をターゲットに、RSA Keon Root Signing Serviceを販売する考え。ただ、ルート認証が必要なプライベート認証局を自社で運営している企業は少なく、ターゲット企業数が少ないのが課題。さらにRSA Keon Root Signing Service自体の単価が安く、3社にとっての見入りが少ない。そのため3社は「RSA BSAFE」「RSA Clear Trust」などRSAの製品と組み合わせることで、付加価値を高め、商品単価も高めに設定して企業に提案する考えだ。

(垣内郁栄)

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