[Interview]
ボーランドの屋台骨を支えるJava開発ツールの「使命」

2002/10/1

 ボーランドはここのところ、J2EE対応の統合開発ツールベンダとして、サイベース、BEAシステムズなど有力ベンダと提携、その存在感を高めている。また、Java関連ツールはボーランドの収入の41%を占める屋台骨でもある。JavaOneに合わせて来日した同社のJava関連ツールの責任者であるトニー・デ・ラ・ラマ(Tony de la Lama)氏に話を聞いた。


――最近、大手サーバベンダとの提携が相次いでいるようだ。

ボーランド・ソフトウェアのJava関連ツールの責任者 トニー・デ・ラ・ラマ氏

ラマ氏 最近の例を挙げるだけでも、サイベース、BEAシステムズ、マーキュリーインタラクティブ、IBMなどと提携をしている。サイベースやBEAシステムズには、同社のサーバ製品と統合された開発ツールを提供しており、IBMとはグローバルな製品販売の提携を行った。マーキュリーインタラクティブはテスティングツールのベンダで、同社のツールをJBuilderなどから呼び出せるようなバージョンをリリースしている。

――J2EEは標準化された仕様であり、そこで開発されたソフトウェアは互換性があるはずだが、なぜベンダに特化したバージョンが提供されるのか?

ラマ氏 確かにJava技術は汎用的だ。例えばJBuilder Enterpriseは、1つの製品でWebLogic、WebSphere、Sybase、Oracleなど多くのサーバ製品に対応している。それでも各社と提携してそれぞれのエディションを作る理由は、各社がそれぞれの製品とシームレスに統合するような製品を欲しているからだ。このバージョンでは統合によって得られる使い勝手を優先している。こうしたニーズも高い。

――今後のJava関連ツールの方向は?

ラマ氏 Borland Enterprise Server 5.1、Optimizeit Suite、JBuilder Mobilesetを相次いでリリースした。特に今日(9月25日)リリースを開始したMobilesetでは、日本のZentekと提携して開発ツールの中にエミュレーションツールを統合した。これで、J2ME MIDPアプリケーションの開発が、UIデザインからエミュレーション、デバッグ、デプロイまで、シームレスに実現できる。ボーランドとしては、こうした開発プロセスにおいて必要なそれぞれの機能を提供しようとしており、JBuilderでは、そうしたプロセスをカバーできる製品になっている。

――UML機能なども統合され、開発プロセスのすべてに対応した機能が充実してきたように見える。足りない機能などもうないのでは?

ラマ氏 まだ欠けている機能はあると思っている。例えば「ディフェクトトラッキング」などがそうだ。ディフェクトトラッキングとは、開発途中でテストを行った際、バグを発見したとする。そうしたバグのリストを作成し、開発チームで共有し、修正状況などを追跡していくことだ。こうしたチーム開発をサポートする機能などはまだ不足している。

――日本では最近、XPやRUP、Agileなどの開発プロセスに注目が集まっている。こうした開発プロセスに対してツールができることはあるのか?

ラマ氏 そこは非常に重要なポイントだ。開発プロセスに対してツールができることは確かにある。それぞれのプロセスには、それぞれのスタイルがある。例えば頻繁なテストとかモデルの記述法、リファクタリングなどだ。こうしたスタイルに対応できるように開発ツールを合わせていくことで、開発プロセスをより効率化することができるだろう。

 またプロセスだけでなく、最近の開発では1つのプロジェクトでXMLやJSP、サーブレット、EJB、そしてデータベースなど、などさまざまな技術が混在して使われるようになってきている。今後は専門分野に分かれた分業化が進むと思われるが、ボーランドは、単にこうした技術に製品を対応させるだけではなく、それぞれをより簡単に実装、実行できるようなツールを提供していくのが使命だと考えている。

(編集局 新野淳一)

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