ノベル、シングルサインオンをWebサービスまで拡張

2002/10/12

Protocom社CEO、ジェイソン・ハート氏、自らも6つのパスワードを持っているがとても覚えきれないと、ワンパスワードの効用を話した

 ノベルは10月10日、同社がこれまで展開してきたシングルサインオン・ソリューションに、新たに「Secure Identity Management(SIM)」を追加すると発表した。

 これまでノベルはシングルサインオン機能を持つソフトウェアとして、Windowsアプリケーションからホストまでをサポートする「Novell SecureLogin」や、Webアプリケーション用の「Novell iChain」のほか、ログイン対象のアプリケーション・システムとアカウントの自動連動、自動同期を実現するメタディレクトリ製品「Novell DirXML」を提供してきた。今回発表した「Secure Identity Management」は、これらの企業ネットワークにおけるシングルサインオン・ソリューションに、2002年6月にノベルが買収した米シルバーストリームソフトウェアの各種Webサービス開発環境を統合し、Webサービス分野まで拡張したアイデンティティ・マネジメントを提供する。

 記者発表では、パスワードのマネジメントソリューションをノベルに提供する豪Protocom社CEOのジェイソン・ハート(Jason Hart)氏が登場した。1人の社員がパスワードを複数持っている企業では、パスワードを失念した場合、ヘルプデスクのコストが発生してしまう。同社のソリューションではパスワードの安全性を確保しながら、複数パスワードを1つに統一させ各サービスにログインさせる。ハート氏は、複数のパスワードを社員に付与することによって生じる、具体的な事例を挙げながら、同社のパスワード管理ソリューションの重要性を強調した。

 そのほか、ノベルでは2003年後半にかけてのWebサービス開発環境の将来計画を公開した。このWebサービスのシングルサインオン実現に向けたディレクトリサービス開発プロジェクトを、同社では「Destiny」と名付けている。具体的には、これまで開発してきたディレクトリサービス製品のUDDI、XML、SOAPへの対応や、米シルバーストリームソフトウェア買収によるWebサービス関連機能を拡張しながら、開発ツール「eXtend」を中心に強力な開発製品群を提供していく考えだという。

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