セキュリティポリシーに「ひな形は効果なし」、とアズジェント
2002/10/25
アズジェントはセキュリティポリシーの策定を目指す企業向けの支援ツール「M@gicPolicy スタートアップ」と、リスクアセスメントツール「RA（ラー）ソフトウェアツール」を11月5日に発売すると発表した。セキュリティポリシーの策定には高度で高額なコンサルティングが必要となるなど、企業にとってはハードルが高かった。M@gicPolicy スタートアップはコンサルティングなしで、効果的なポリシーを策定でき、企業内で独自にセキュリティの現状を確認できるという。
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| アズジェントの代表取締役社長 杉本隆洋氏 |
アズジェントの代表取締役社長 杉本隆洋氏は新製品について「ひな形を修正するだけのポリシーなど教科書的なツールでは効果がない。新製品では企業の現状をきちんと把握して、しっかりと適用、実施できるポリシーを策定できる。さらに時間と工数も短縮できる」と、その利点を説明した。
セキュリティポリシーを策定するうえでの基準は現在、グローバルガイドラインの「BS7799」が国内外でデファクトとなりつつある。BS7799はパート1とパート2があり、パート1にはセキュリティ管理の実施基準、パート2はセキュリティ計画（リスク評価、リスク・マネジメントなど）がある。パート1は国際標準化機構（ISO）と国際電気標準会議（IEC）が、ISO番号（ISO/IEC17799）を与え、国際標準となった。現在は、パート2の標準化が進んでいる段階。国内ではBS7799を日本語化したJIS X5080を日本規格協会がスタート。認証制度としては、日本情報処理開発協会（JIPDEC）がISMS（情報セキュリティマネジメントシステム）適合性評価制度を始めている。
アズジェントが発売するM@gicPolicy スタートアップとRA ソフトウェアツールはともにBS7799やISMS適合性評価制度の基準に沿ったセキュリティポリシーを策定できるツール。
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| M@gicPolicy スタートアップの質問画面。セキュリティに関するツールからの質問に答えることで、対策の現状がわかる（画面をクリックすると拡大表示されます） |
M@gicPolicy スタートアップは、従来同社が開発したコンサルタント向けセキュリティポリシー策定ツール「M@gicPolicy」の機能を限定し、企業ユーザー向けにした製品。M@gicPolicy スタートアップは企業の各職責の社員に対して情報セキュリティに関する質問を出題し、回答から問題点を分析し、ポリシー策定のためのドラフトを作成する。作成したドラフトが、BS7799やISMSなどの認証制度にどれほど準拠しているかどうかも判断できる。M@gicPolicy スタートアップで作成したデータは、M@gicPolicyに継承することができ、本格的なセキュリティポリシーを策定する場合や認証取得を検討する際の資料として使うことができる。
同社セキュリティ・ポリシー事業部執行役員 緒方純氏は「認証取得の予定はないが、セキュリティポリシーを策定してみたい企業や、本格的なコンサルティングを依頼する前にセキュリティ対策の現状を把握したい企業から引き合いがあったため」と、同製品の発売理由を述べた。
RA ソフトウェアツールはBS7799やISMSの認証取得で、重要な要素となるリスクアセスメントを支援するツール。企業内の情報資産を洗い出し、リスクとなる点や脆弱性を分析。管理方法など具体的な対策を例示して、認証取得で必須の「リスクアセスメント、リスクマネジメントの結果レポート」や「適用宣言書」を作成できる。
価格はM@gicPolicy スタートアップが50万円、RA ソフトウェアツールが55万円となっている。アズジェントが中心となって組織するシステムインテグレータや監査法人からなる団体「セキュリティポリシーアライアンス」を通じて販売する。セキュリティポリシーアライアンスは、コンサルティングを通じて、本格的なセキュリティポリシーの策定や認証取得の支援をする。アズジェントは発売初年度に100本の販売を見込んでいる。
（垣内郁栄）
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