[OracleWorld 2002開催]
ラリー・エリソンが語る、次期DBの構想は?

2002/11/19

 2002年のOracleWorldは、米オラクルの会長兼CEO ラリー・エリソン(Larry Ellison)氏の登壇がクロージング・イベントとなった。同氏は現在ニュージーランド オークランドで行われるヨットレースに参加するため米国西海岸を離れており、キーノートは衛星ライブ中継で行われた。

米オラクルの会長兼CEO ラリー・エリソン氏のキーノートは、衛星ライブ中継で行われた

 同氏のスピーチは、主力製品の思想を問題提起と解決というスタイルで語った穏やかものだった。恒例のマイクロソフト攻撃も、セキュリティ対策の甘さを揶揄(やゆ)する程度で毒がない。南の島にいたからだろうか?

 そんなキーノートは、「今日のIT環境は3つの深刻な問題を抱えている。それらはデータベースの断片化、統合化されないソフトウェア環境、不完全なシステム化だ」”という指摘から始まった。

 データの断片化の意味するものは、企業内に分散して存在する非常に多くのデータベースサーバだ。数年前オラクルは、100台あった電子メールサーバを1台に、400台あった顧客データベースサーバを1台に統合した。その結果、顧客との商談が容易にトラッキングできるようになったうえに、サーバ管理のためのIT予算は毎年少なくなっている。守るサーバが1台であるため、サーバの信頼性や安全性も向上した。データ統合こそが解だという。

 統合化されないソフトウェア環境とは、マルチベンダ下でのシステム運用だ。ベンダの異なるソフトウェアが、企業ごとに異なるコンサルティング、異なるカスタマイズを受けて稼働しており、非常に複雑な環境になってしまっている。

 エリソン氏はそれについて、「それらはもともと一緒に動くようにデザインされていない。そのマルチベンダ環境を一体誰がテストしたというのか?」と述べた後、「この問題を解決するのが、Oracle9i Application Serverだ。Real Application Clusterというクールなキャッシュ機能を持ち、Javaコンポーネント、インテグレーション・コンポーネント、すべてのミドルウェアをこの上に統合した。すべてのコンポーネントが一緒に動くよう、きちんとテストしたシングルプロダクトだ」と強調した。

 エリソン氏はまた、不完全なシステム化というキーワードで、自社製品を含め、これまでのERPシステムやCRMシステムが、現実のビジネスとの間にギャップがあったことを認めた。しかしながら、E-Business Suite 11iは、これまでコンサルティング会社や顧客企業が埋めてきた不足部分を自ら足して最後まで完成させた製品だという。

 講演後のQ&Aのセッションで次期データベースについて質問されたエリソン氏は、「ストレージ管理やバックアップ管理を完全にブラックボックス化、独立化させる」と述べ、その構想の一部を明らかにした。同氏はさらに、「オラクル環境がデータのストレージやバックアップにより責任を持つ。管理者の関与を、例えばデータベースを実際どうストアするのかといったことに限ることにより、ヒューマンエラーをカバーすることができる。これにより最高の信頼性、最高の運用自動化が図れ、管理コストも低減できる」と述べた。

(吉田育代)

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