サン、スパコン級システムを107億3256万円のクラスタで

2001/11/20

データセンター・プラットフォーム事業本部 本部長 山本恭典氏(左)

 サン・マイクロシステムズは11月19日、ハイエンドサーバ用クラスタ・インターコネクトの新製品「Sun Fire Link」を発売した。出荷開始予定は12月下旬。PCIではなく、システムバスに直結し、同社のハイエンドサーバ「Sun Fire 6800」や「同12K」「同15K」などを接続することで、スーパーコンピュータ級のシステム構築を可能にする。

 遅延時間は1マイクロ秒、4.8GB/秒のスループットを実現し、ホットスワップも可能である。最大8ノードまでの混在環境をサポートする。例えば、Sun Fire 15Kを用いたファット・ノード・クラスタを構築した場合、ピーク時の性能は、1.7テラフロップス(毎秒1兆7000億回の浮動小数点演算を実行可能)となる。価格は、Sun Fire 15K 8ノード構成(832CPU、4.6TBメモリ)の場合、107億3256万円である。

 同社では、バイオインフォマティクス分野、科学研究所、教育、官公庁、防衛、金融などのHTPC(High Performance Technical computing)分野、データウェアハウスなど大規模な商用アプリケーション分野での利用を想定している。

 サンが提唱する広義のグリッド・コンピューティング構想は、3段階に分かれる。第1段階は「クラスターグリッド」。最も基本的なグリッド環境であり、部門のシステム稼働の最大化などを目指すシステムとして位置付けられる。第2段階が「エンタープライズグリッド」。部門間でのリソース共有や部門ごとのリソース割り当てをポリシーを通じて行うなど、企業規模のコンピューティング環境である。そして、第3段階が「グローバルグリッド」である。インターネットでリソースの共有を行うまさに世界規模のユビキタス環境を指す。

 データセンター・プラットフォーム事業本部 本部長 山本恭典氏は「グローバルグリッドは、サンが掲げるN1構想と同義である。2007年までをめどに、このようなコンピューティング環境が実現するだろう」と、市場動向を予測した。

(編集局 谷古宇浩司)

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