コンサルティングファームとITベンダの蜜月はいつまで?

2002/11/21

 コンサルティングファームとITベンダの提携がまた1件成立した。

 アーンスト アンド ヤング インターナショナル(以下E&Y)とコンピュータ・アソシエイツ(以下CA)は11月20日、情報セキュリティおよびIT管理サービスの提供で提携したと発表した。
 
 E&Yのコンサルティングビジネスの専門知識とサービスを、CAのセキュリティソリューション「eTrust」と融合し、包括的なセキュリティ・リスク管理ソリューションを提供していく。提携後のビジネスは世界規模で展開する。

 E&Yが擁するTechnology and Security Risk Servicesグループは、セキュリティ管理やITシステムの保守・運用を行う約2000人で構成される。日本では約50人の人員を擁し、特定認証業務などのテクノロジ・アシュアランスサービス、認証局・データセンター向けのシステム監視/ITガバナンス、情報化投資の評価といった調査・分析・評価サービスを提供している。

 このTechnology and Security Risk ServicesグループとCAのセキュリティ製品群を融合することで、脆弱性の診断やセキュリティポリシーの策定といった導入前のコンサルティングと、実際の導入から運用、サポートまで、一貫したサービスを提供することが可能になる。

 E&Yのパートナー エレーン・ハリス氏は「企業のネットワークインフラの整合性は、次第にエンタープライズ全体の整合性と同じ意味を持つようになってきている」とし、ITシステム導入におけるコンサルティングの重要性を強調した。一方で、CAのeTrustブランド・ユニット オーナー 宮下毅氏も「優れたセキュリティ製品でも、適切な設定がなされなければ十分な効果を発揮することは不可能」とし、E&Yとの提携に前向きな姿勢をみせた。

 昨今のITベンダは、コンサルティングファームとの結びつきを強め始めている。IBMがプライスウォーターハウスクーパース コンサルティングを買収し、グローバルコンサルティングサービスの強化に乗り出し、マイクロソフトはアクセンチュアと提携することで、電子政府市場の開拓に弾みをつけようとしている。ノベルはケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズを買収し、事業構造の見直しを図っている。

 開発の上流工程に強いコンサルティングファームと下流工程に強みをみせるITベンダの協力関係は、ITが経営にインパクトを持ち始めた現在、有効な戦略とみることができる。しかし、両者のビジネス領域がいつまで厳密に区分けされ続けるか。コンサルティングファーム、ITベンダはともに、自らの弱点を補強する対策をとりつつある。コンサルティングから製品開発、システムインテグレーションまで一貫して行える企業群が登場し始めるとき、両者の蜜月は終わるだろう。

(編集局 谷古宇浩司)

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