HPも自律コンピューティングで大規模iDC市場を攻める

2002/12/5

HP インフラストラクチャ・ソリューションズ ディレクター ニック・バン・ダー・ズィープ(Nick Van der zweep)氏

 日本ヒューレット・パッカード(以下HP)は12月4日、大規模なデータ・センタ(iDC)向けソリューション「hp Utility Data Center(ユーティリティ・データ・センタ)」を発表した。同社が提唱する次世代のコンピューティングトレンド「サービス・セントリック・コンピューティング」を具現化するソリューションの第1弾と位置付けられており、IBMのオートノミック・コンピューティングやサン・マイクロシステムズのN1に相当する。
 
 つまり、サーバやストレージリソースの再配置、新規導入、ネットワークやソフトウェアの導入に迅速な対応が求められる大規模コンピューティング環境を、統合的に管理するためのソリューションということになる。同社では「ビジネスプロセスに必要とされるコンピュータ・リソースへの瞬時な分析、最適なリソースへのアクセスを確保可能にするインフラストラクチャが必要」だとし、新たな概念である「Adaptive Infrastructure」を今回発表したユーティリティ・データ・センタ・ソリューションに導入している。

 同社によると、Adaptive Infrastructureは、(1)障害からの自動復旧、セキュリティ機能、自動運転機能でアプリケーションとデータの保護を行いながら、ビジネスの連続性と確実性を高める管理プラットフォームと、(2)自己回復機能および最適なリソースの再配置が瞬時に、そして容易にできるサーバやストレージ群で構成される」と説明する。

 前述したように、要はIBMやサンがビジョンを打ち出している自律機能を持った次世代データセンタ構想のHP版ということなのだが、HPのインフラストラクチャ・ソリューションズ ディレクター ニック・バン・ダー・ズィープ(Nick Van der zweep)氏は、「ビジョンの提唱だけで実際の製品を出荷していない他社とHPは明らかに違う。HPはすでにユーティリティ・データ・センタの導入事例を持っている」と自信をみせた。
 
 英国のiDCサービス・プロバイダであるMSX Internationalは顧客であるジャガーやメルセデス・ベンツなどの自動車メーカーに対し、ユーティリティ・データ・センタ・ソリューションを提供している。また、同社は映画業界にも進出しており、ドリームワークスのフルCG映画「シュレック」の製作過程で行われたレンダリングのほとんどは、ユーティリティ・データ・センタを活用しているという。

 ユーティリティ・データ・センタの製品体系は「基本的にオープンを目指している」(ズィープ氏)というように、ハード、ソフトともにHP単独のラインアップに依存するものではない。つまり、IA32サーバ、サンに代表されるUNIXサーバ、ストレージ、ネットワーク機器、ロードバランサ、ファイア・ウォール、ラック、ケーブリング、プロビジョニング・ソフトウェア、ユーティリティ・コントローラ、Open View、メータリング・ソフトウェアなどの一連の機器に、アセスメントコンサルティング、サポート・サービス、カスタム・インテグレーション、教育、アーキテクト・コンサルティング、導入支援サービス、プログラム・マネジメント、ソフトウェア・ライセンシングといった付加価値サービスが付随するという「パッケージ」で提供する。

 なお、ユーティリティ・データ・センタの現バージョンはR1.1だが、「12カ月後にR2.0、次の12カ月後にR3.0をリリースする予定」(ズィープ氏)である。

(編集局 谷古宇浩司)

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