「McAfee」「Sniffer」の2本柱を強化するネットワークアソシエイツ

2002/12/12

米ネットワークアソシエイツの会長兼CEOのジョージ・サメヌク氏

 日本ネットワークアソシエイツは12月11日に、プライベートイベント「NA WORLD TOKYO 2002」を都内で開催。それに合わせて米ネットワークアソシエイツの会長兼CEOのジョージ・サメヌク(George Samenuk)氏が来日し、報道陣と会見した。

 同社は「McAfee」ブランドで企業向けのウイルス対策市場ではナンバーワンの地位を確立していると考えており、一方で「Sniffer」ブランドで、企業のネットワーク管理分野でも大きな成長を続けている。今後、コンシューマのウイルス対策市場でもナンバーワンになること、そしてSnifferに不正侵入の防護/検知機能などを組み込んで、さらに強化していくことなどを計画している。

 ウイルス対策の分野では企業向けのASPが順調で、来年度には国内でさらにこの分野を大きく成長させると同時に、米国でコンシューマ向けのウイルス対策として別会社で展開していたMcAfee.comを社内に取り込み、コンシューマ向けにも同社が直接関与して強化していくという。

 一方でネットワーク管理の分野では米ISSと提携、SnifferプロダクトにISSの侵入防御や検知機能などを組み込み、インターネット対策機能を強化する。さらに、高速なパケット解析/監視機能も強化。国内では1月からnPO(Network Performanced Orchestrator)を販売開始する予定で、企業内の大規模なネットワークデバイス管理を実現する予定だ。

 記者との一問一答でも、2つの製品ラインの強化に注力する姿勢を鮮明にした。


――統一したポリシーのもと、ウイルス対策や侵入検知、ネットワーク管理までを実現するような、McAfeeとSnifferのラインの統合は考えているのか?

サメヌク氏 実際のところ、1つのコンソールからすべてを管理することは非常に難しいことだ。われわれはePO(ePolicy Orchestrator)という製品で、すでに10万以上のデスクトップに対するウイルス対策の集中管理を実現しており、今後もその機能は推し進めていく。確かに、政府などが推進するセキュリティポリシー標準は、統合的なポリシーを扱おうとしている。しかし、多くの企業からわれわれにそれとは逆の要望、つまりそれぞれの機能について「ベストブリードな製品」を要求する声の方が強い。こうした要望に従って、当面はMcAfeeとSnifferの強化を図っていく。

――PGPから撤退した理由は?

サメヌク氏 1年前にPGP暗号ビジネスから撤退することを決定した。というのも、PGPの機能のほとんどはWebから無償で提供されており、われわれのPGPビジネスは数百万ドルの損失を出していたからだ。われわれは、扱っているプロダクトラインが業界の1位か2位になれなければ、そのプロダクトラインから撤退するという戦略をとっている。

――今後の買収戦略は?

サメヌク氏 ネットワークアソシエイツは、現在10億ドル程度のキャッシュを持っており、現在の経済環境などを考えると、いい技術を安価に獲得できる立場にあると考えている。この優位性を生かして、McAfeeとSnifferを強化できる技術を持つ企業の買収を常に考えている。スパム制御、コンテンツフィルタリング、無線でのセキュリティなどが特に意識している技術だ。

(編集局 新野淳一)

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