「新技術を先取りする」、F5が新戦略

2002/12/19

F5ネットワークス ジャパンの代表取締役 ティム グッドウイン氏

 F5ネットワークス ジャパンは同社のロードバランス、トラフィック管理製品向けにIPv6のフルサポートやWebサービスへの対応、ブレードサーバ向けアプリケーションの提供などを柱とする新戦略を発表した。F5ネットワークス ジャパンの代表取締役 ティム グッドウイン(Tim Goodwin)氏は「シスコ、ノーテルなど強力な競合他社が多い中、F5がマーケットをリードしているのは新技術を先取りしているから」と述べて、技術開発力を武器に新戦略を推し進める考えを強調した。

 F5の「BIG-IP」、「3-DNS」などは機能限定でIPv6に対応していたが、2003年中にもフルサポートさせる予定。IP電話の普及で利用が見込まれるVoIPについては、IP電話用プロトコルであるSIPをサポートして、音声データを負荷分散できるようにする。アプリケーションサーバに障害が起きても、セッションを維持して、確実に通信ができるようにする。

 F5が独自で開発した新技術は積極的に製品にフィードバックする。セキュリティに厳しい金融機関向けでは、SSLのサーバ認証に加えてクライアント認証も対応させる方針。BIG-IPにSSLアクセラレータを標準搭載してクライアント認証を可能にする。他社のアプリケーション、サービスなどとF5の製品を連携させる技術「iControl」をクライアント認証と統合することで、動的なアクセスコントロールが可能なSSLを利用できるようにする。

 Webサービスへの製品の対応も本格化させる。iControlはSOAP/XMLに基づいて開発された技術で、Webサービスのサポートが可能。F5はネットワーク機器ベンダとして初めて、WS-I(Web Services Interoperability Organization)に加盟するなどiControlを利用した相互接続性の確立に力を入れる。

 主要ベンダが発売して注目を集めているブレードサーバ向けの専用ソフト「BIG-IP Blade Controller」については、対応サーバを増やす予定。BIG-IP Blade Controllerは、BIG-IPのトラフィック管理、ロードバランス機能をブレードサーバで実現する専用ソフト。ブレードサーバがシステムのさまざまな分野で使われ始めると、本格的にロードバランス、トラフィック管理機能が必要になると判断した。IBMやデルコンピュータ、サン・マイクロシステムズなどのブレードサーバに、2003年2月までに対応させる予定。グッドウイン氏はブレードサーバ市場について「来春から夏にかけて大手ベンダがブレードサーバを本格的に売り始める。ブレードサーバにもBIG-IPのようなトラフィック管理機能が必需品になる」と述べた。

 F5は新戦略を軌道に乗せることで、2002年度のネットワーク機器の販売台数1200台を、2003年度には25%増の1500台まで引き上げることを目指している。高いセキュリティと信頼性が求められる金融と政府関係を中心に営業をかける方針で、代理店を2002年の18社から30社にし、チャネルの多様化を進める。日本法人の社員数も13人からエンジニアを中心に増やして、20人にする。F5にとって製品を充実させ、営業体制を強化する2003年は、極めて重要な年になりそうだ。

(垣内郁栄)

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