減収減益のオラクル、中期経営計画で「原点に帰る」

2003/1/16

 日本オラクルが1月15日に発表した2002年11月中間期単独決算は経常利益が前年同期比36.1%減の105億7900万円だった。主力DB製品の売り上げが前年同期比で38.1%の減少となったのが響いた。オラクルは同日、2006年5月期までに売上高1000億円を達成するための中期経営計画を発表。新しいサポートサービスの導入を柱に、製品の拡大と利益率の向上を目指す。

 2002年11月中間期の売上高は前年同期比10.2%減の393億5300万円。営業利益は35.7%減の106億1000万円だった。中間純利益は36%減の60億7600万円。営業利益率も前年同期の37.6%から27%に減少した。

 最も落ち込んだのは「Oracle9i Database」などのDB分野で、売り上げは38.1%減の154億9200万円になった。「Oracle E-Business Suite」などビジネスアプリケーション製品は好調で30.2%増だったが、DB分野が低迷したことで、ソフトウェアプロダクト全体では34.2%減の174億6700万円となった。DBの落ち込みの最大の原因は、通信業向けの販売減少。DBの製品別では大規模システム向けの「Enterprise Edition」が売上高で前年同期比45%減となった。長引く不況で多くの企業が大型案件を延期、または凍結したことが影響した。「Standard Edition」は15%の減少だった。

 サポートサービス(24.3%増)やコンサルティングサービス(49.2%増)は好調でサービス分野全体では26.4%の増加だった。コンサルティングの大型案件を複数受注できたことや、CRM分野でのパートナー企業との協業が貢献した。

 2003年5月通期は売上高が前期比5.6%減の815億円になる見通し。経常利益は33.1%減の208億円になるとオラクルでは予想している。

日本オラクルの代表取締役社長 最高経営責任者の新宅正明氏

 オラクルは業績を回復させるための中期経営計画「Oracle Japan Innovation 2003」を同日発表。2006年5月期に売上高1000億円、営業利益率30%を達成することを目標に設定した。計画を説明した日本オラクルの代表取締役社長 最高経営責任者の新宅正明氏は、業績が低迷する理由として厳しい市場環境とともに「DBの総需要の相対的な伸び悩みと収益性、効率の低下がある」と指摘。「原点に立ち返る必要がある」として、中期経営計画では「営業体制の刷新とグローバル展開、ビジネスプロセスの効率化でオラクルを改革する」と述べた。

 営業体制刷新の目玉は、オラクルの営業スタッフやエンジニアがオンラインで顧客に直接、製品や技術の説明、デモンストレーションなどを行う新しいサポートの窓口「OracleDirect」を新設すること。バーチャルデスクトップ技術などを活用して、スタッフが自分のPC画面をリモートで顧客に見せながら説明やデモンストレーションを行うことができる。当初は営業スタッフやエンジニア、100人を、先行して同様のサービスを行っていたオーストラリアのオラクル現地法人に派遣。日本の顧客に対してオンラインや電話を使って営業、サポート活動を行う。2003年中にもOracleDirectのセンターを国内に開設する予定だ。OracleDirectを活用することによる関連売り上げとして100億円を目標としている。

 グローバル展開は中国への進出が中心。日本企業の中国ビジネスを支援する現地センター「China Business Unit」を上海に設置する。Oracle Chinaと協力して、中国でビジネス展開する日本企業をサポートする。ビジネスプロセスの効率化では、コンサルティングでBFA(Business Flow Accelerator)と呼ばれる新手法を導入。従来の手法に比べてシステム構築を短期開発、低コストにすることができるという。BFAに関してはオラクルが2月に詳細を発表する予定だ。これまでオラクル自身が行うことが多かったコンサルティングのノウハウを、積極的にパートナー企業に提供して、パートナーが単独で行うコンサルティングの案件を増加させることも検討する。主要製品別のアウトソーシングビジネスも来年度から本格的に開始する。

 赤字決算が相次ぐIT業界では、成長が止まったとはいえオラクルの業績は好調な部類に入るだろう。今回の中期経営計画の策定は主力のDB製品が落ち込んだことで、早めに経営改革の手を打ったと見ることができる。そのDBも売り上げが落ち込んだとはいえ、マイクロソフトやIBMのライバル製品が大きく伸びているという状況はないようだ。中期経営計画を順調に実施できれば、成長の道筋があらためて見えてくるのではないだろうか。

(垣内郁栄)

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日本オラクルの発表資料

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