「SCM成功の鍵は調達業務の改革にある」、アクセンチュア

2003/1/30

米アクセンチュア サプライチェーン・マネジメント・グループ アジア太平洋地域統括パートナー ロバート・イーストン(Robert Easton)氏

 SCM成功の鍵は調達業務の改善にある――。アクセンチュアが1月29日行ったサプライチェーンに関連する2つの新ソリューション発表会で明らかにした。
 
 アクセンチュア サプライチェーン・マネジメント・グループ統括パートナー 前田健蔵氏によると「SCMの導入による量産・量販時の生産・物流・販売管理を行うだけでは、企業の競争力を保つことは不可能」な状況だという。つまり、商品のライフサイクルが短い現在の市場環境では「新製品投入時で勝負が決まってしまい、コストの多くは開発・設計段階に依存する」という。また、商品の打ち切りや商品納入後のアフターマーケットを視野に入れたサプライチェーンの構想が必要になってきている、と指摘した。

 このような背景のもと、同社が今回新たに発表したソリューションは、調達改革を実現する手法「トランスフォーメーショナル・プロキュアメント・アウトソーシング(TPO)」である。

イーストン氏は「経費削減と調達改革によって、5〜15%の年間コストが削減可能。これにより、株主価値の向上に貢献するだろう」と言う。(クリックすると拡大)

 調達業務の実施から通常業務の稼動開始、運用までのプロセスをアクセンチュアがアウトソーサーとして請け負うというサービスだ。もちろん、目玉となる調達業務面では「同社独自のノウハウ」が盛り込まれているという。具体的なノウハウの中身は明らかではないが、米アクセンチュア サプライチェーン・マネジメント・グループ アジア太平洋地域統括パートナー ロバート・イーストン(Robert Easton)氏は「経費削減と調達改革によって、5〜15%の年間コストが削減可能。これにより、株主価値の向上に貢献するだろう」と自信をみせる。
 
 欧米では、すでに「数百にわたる調達プロジェクトに適用されている」(イーストン氏)ということで、SCMにおける「調達業務」の重要性の認識が(欧米と比べて)低いアジア地域では、「これから本格的に市場が拡大していく」(同)見込みである。

 TPOと合わせて発表したのが、サプライチェーンを実際に動かす人材の育成支援サービス「アクセンチュア・サプライチェーン・アカデミー」である。調達・需給計画・在庫管理・生産・受注管理・サービス管理における従業員の能力を引き上げるためのeラーニングシステムだ。アクセンチュア社内でもすでに1万4000人以上の社員が活用しているという。

(編集局 谷古宇浩司)

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