「極めて慎重な経営を」、米i2の中根氏が戦略説明

2003/2/5

米i2の最高執行責任者 COOの中根滋氏。2002年4月に日本法人社長からCOOに就任した

 ネット関連企業の破たんなどで急激に悪化していた米i2テクノロジーズの業績が持ち直してきている。米i2の最高執行責任者 COOの中根滋氏は「リストラの効果が出ている」と述べて、i2が再び成長路線を歩みだしたことを強調した。
 
 i2の昨年第4四半期は売り上げが1億2000万ドル。リストラ費用を別にして1500万ドルの利益が出たといい、中根氏は「黒字の会社になった」と述べた。

 中根氏によるとi2は昨年、6500人いた社員を2900人まで削減。さらに開発陣の3分の2をインドの開発拠点に移した。現在2900人のうち、1000人がインド人技術者だという。中根氏はリストラ後の戦略についても説明。中根氏は「ITバブルの際に製品が売れすぎてしまい、3つの戦略を忘れてしまった。それを取り戻したい」と語った。

 戦略の1つ目は「超顧客至上主義」。i2は業績が好調だったときに社員6500人のうち8割が新規顧客の獲得を担当していて、既存顧客のサポートが手薄になっていた。そのためリストラ後は社員2900人の8割を既存顧客の担当に配置。中根氏は「社員は減ったが既存顧客にとっては2倍の体制になった」と述べた。

 2つ目の戦略は広がりすぎていた製品を合理化したこと。「SCMからend to endを目指して製品を広げた結果、i2の持ち味が薄れた」(中根氏)ためで、製品ラインアップをSCMなどコア製品に絞ることでそれぞれの品質を高めた。インドの開発拠点も強化して、製品力を高めるという。

 戦略の3つ目は収益性の強化だ。中根氏によるとi2は株式公開による現金が豊富にあったため、短期的な収益を重要視しないことがあった。その収益性もリストラの結果、向上したという。

 成長軌道に乗ったとしてもi2をはじめIT企業を取り巻く環境は極めて不透明だ。中根氏も楽観視はしておらず、「今年は極めて慎重な経営をすべきと考えている」と語った。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
i2テクノロジーズジャパン

[関連記事]
企業間コラボレーションは欧米企業に学べ (@ITNews)
外注や人材などの電子調達・SCM化を推進、日本ユニシス (@ITNews)
SCM機能が強化された「E-Business Suite」発売、日本オラクル (@ITNews)
バーン、BtoBコラボレーションの基盤となる2製品を発表 (@ITNews)
i2、BroadVisionと販売側マーケットプレイスで提携 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)