[NET&COM2003開催]
企業ニーズをくみ取るセキュリティベンダ

2003/2/6

 「実践! ブロードバンドで企業革新」をテーマにしたエンタープライズ向けITイベント「NET&COM2003」(2月5日〜7日、主催 日経BP社)が始まった。ソリューション別にブースを区切り、ハードベンダやソフトベンダ、ソリューションベンダが出展。各社の展示からは企業が直面しているITの課題が透けて見えた。

サリオンシステムズリサーチのEntrust対応デスクトップPKIカード発行システム

 来場者の注目を最も集めていたのは「Net Securityゾーン」。トレンドマイクロやシマンテックなど大手セキュリティベンダは、自社製品の紹介と同時に、セキュリティ対策が必要な理由を説明するプレゼンテーションを実施。SQL Slammerが流行した直後だけに熱心にプレゼンテーションを聞く来場者が多かった。

 企業のIT化が進むに従い、重要な情報がネット経由で外部に漏えいするケースが増えている。アルプス システム インテグレーションは企業内で使うファイルに対して、社員が他のファイルへのコピー&ペースト、印刷などをできないようにし、情報漏えいを防止するソリューション「DocumentSecurity」を参考出展した。管理コンソールがあり、設定したセキュリティポリシーに従って社内の重要ファイルを一元管理できる。6月をめどに商品化する予定だ。

 マークエニー・ジャパンも社内ファイルのコピー&ペーストや印刷、CD-Rなどへの保存を制限するソリューション「Document SAFER」を出展。役職ごとに編集できるファイルが異なるなど企業の実態に合わせた運営ができるという。同社は、公開されているWebサイトで、スクリーンショットの撮影やマウスの右クリック利用、コピー&ペーストなどを禁止する「WebSafer」も展示した。

 セキュリティ関連ではPKIソリューションも人気を集めた。アラジンジャパンは同社のPKI用のキーデバイス、「eToken」を使ったソリューションを出展。他社のさまざまなサービスとeTokenを組み合わせたソリューションを来場者に展示していた。サリオンシステムズリサーチはEntrust対応のデスクトップPKIカード発行システムを出展。Entrust Authority Security Managerが発行したデジタル証明書を格納したICカードを即時に発行できるシステムで、中堅企業を主なターゲットに販売するという。

NTTコムウェアが参考出展したコラボレーションソリューションの利用画面

 VoIP技術を利用して企業の生産性を向上させることを目的にするシステムも出展された。NTTコムウェアが展示したコラボレーションソリューションは、VoIPを利用したテレビ電話システムをベースに、在席状況や資料共有、チャットなどを可能にする。NTTコムウェアでは「日常業務を大幅にスピードアップするソリューションだ」としている。5月をめどにパートナー企業を通じて提供する予定だ。

 NET&COM2003には、ほかにビジネス・アプリケーションベンダや通信ベンダ、Webソリューション開発ベンダなど多数の企業が出展。だが、来場者の注目を集めるような出展は少なく、ベンダが企業のニーズをつかまえきれていないという印象も残った。

(垣内郁栄)

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