[Interview]
アイエニウェア、サイベースと分社後の新戦略は?

2003/2/18

 モバイル向けDB市場で大きなシェアを持つ米アイエニウェア・ソリューションズは日本法人を2月5日に設立した。米アイエニウェアは米サイベースの傘下にあり、アイエニウェア日本法人もこれまでサイベース日本法人の事業部として営業活動を行ってきた。アイエニウェア日本法人の代表取締役社長には、サイベースの取締役副社長兼米アイエニウェア カントリー・マネージャーの早川典之氏が就任した。

 また、アイエニウェアは2月12日にNECとモバイルソリューション分野で提携。NECは、同社の「iBestSolutions/BroadBand&Mobile」のソリューション・コンセプ トを基に、 アイエニウェアのモバイルDB製品「SQL Anywhere Studio8」を活用し、両社が共同開発したソリューションを今春から提供する。NECインフロンティアが開発するPDAなどと組み合わせたソリューションを企業に提案する考えだ。

 日本法人設立からNECとの提携など矢継ぎ早に手を繰り出してくるアイエニウェア日本法人。その狙いはどこにあるのか。日本法人社長の早川氏に日本法人設立の意味、今後の戦略を聞いた。


アイエニウェア日本法人の代表取締役社長に就任した早川典之氏

――日本法人を設立した目的は?

早川氏 アイエニウェアがグローバルにビジネス展開をしていくには日本に現地法人を作り、サイベースと別法人になるのが最低条件だった。米国では2000年5月にサイベースから別会社になり、当初日本でも2001年3月に法人を設立する予定だった。だが、米国でのテロなどさまざまな要因で実現できずにいた。2003年に入り、条件が整ってきた。

――2000年に法人を設立した米国での効果は?

早川 顧客に対して直接プロフェッショナルサービスを提供できるようになったのが大きい。顧客の声が直接、アイエニウェアに届くようになり、製品開発に生かすことができるようになった。

――日本での効果はどうか

早川 企業のバックエンドにはオラクルなどのDBが広く入っている。だが、サイベースというとどうしてもオラクルなど他社DBのコンペティターとして単純にとらえられることが多かった。そのため、アイエニウェアの事業にとっては、サイベースの名前がプラスに働かないことがあった。アイエニウェアとして別法人になることで、このような誤解がなくなり、オラクルのDBを導入している企業向けでもビジネスが展開しやすくなった。アイエニウェアの製品をソリューションの部品として使ってもらえればと考えている。

――日本での事業の目標は

早川 アイエニウェアの世界全体の売り上げのうちで、2005年までに25%を日本法人が占めるようにしたい。現在は10%だ。日本はPDA、携帯電話のハード開発で世界トップクラス。25%を占めるようになってもおかしくない。

 この目標を達成するには日本独自のビジネス展開が重要になる。考えているのは、PDA上で動作するWebアプリケーション製品の「Web Anywhere Studio」(仮称)と、携帯電話にDB機能を持たせる製品だ。

 NECとの提携では、同社の「iBestSolutions/BroadBand&Mobile」の基盤の1つとして、モバイルから企業の基幹システムにアクセスし情報を参照できるような企業向けソリューションを開発する。このほか、ビジネスユーザー向け、モバイルコマース向けなどの新たなソリューション開発も共同で行う予定だ。アイエニウェアが手がけるのはモバイルというニッチな市場だ。すべての人が必要としているわけではないが、特定の人は必ず必要としている製品を提供する。NEC以外にもさまざまなパートナーと協業していきたい。

――携帯電話キャリアとの連携は?

早川氏 NTTドコモなど日本の携帯電話キャリアは今までさまざまな独自プロトコルを開発して、多様なサービスを提供してきた。しかし、成功したのは少数だ。成功しなかったサービスのいくつかは再利用可能だ。キャリアが開発したプロトコルを利用して、PDA向けなどデータ通信に特化した形でサービスを提供できればビジネスになるだろう。コンテンツベンダと協業してサービスの仕組みを作り、キャリア側に提案したい。エンタープライズ向けの携帯電話サービスはコンテンツ次第で成功する。

(垣内郁栄)

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アイエニウェア・ソリューションズ

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