ビジネスプロセス管理は「トップダウン型」で成功

2003/3/1

 複数の異なるシステムを活用し、ビジネスモデルの変化に対応してワークフローを再構成し、効率化させるためのビジネス手法、ビジネスプロセス管理(BPM)が注目されている。BPOツールも多数販売されているが、導入してもうまくいっていない企業が多いという。サイベースのセールスエンジニアリング部 部長の花木敏久氏はガートナージャパンが開催したイベント「Gartner IT Summit」で、「BPMはトップダウン型の設計、開発がポイントだ」と説明した。

サイベースのセールスエンジニアリング部 部長 花木敏久氏

 花木氏によるとBPMとは「ビジネスモデルを構成する複数の要素を連鎖させる」ことで、ビジネスプロセスの自動化によるコスト低減や、正確さの向上、ビジネスモデル再構成の容易さなどがメリットになるという。情報システムから見るとBPMは、「アプリケーション内に散在するビジネスロジックをビジネスモデルに沿って連鎖的に実行し、ビジネスの迅速化と正確化を実現する仕組み」だ。企業内の異なるシステムを統合するEAI(Enterprise Application Integration)インフラの上に構築されることが多いという。

 花木氏によると、BPMを成功させるポイントは、このEAIとの関係だ。「EAIをBPMを構築するインフラと考えるのが支配的になっている」と花木氏は指摘する。つまり企業でEAIを構築した後で、その上にBPMのシステムを構築する「ボトムアップ型」だ。BPMの定義が確定する前にEAIインフラの実装を始めてしまうケースで、花木氏は「企業全体ではなく、一部のアプリケーション連携からスタートする場合が多く、いつまでたっても企業システムの全体を網羅することができない」とデメリットを説明した。そのためBPMを構築しても、EAIで連携していないアプリケーションが判明すると、再びEAIの設計を行う必要が出てくる。花木氏は「部分的なEAIの積み重ねはBPMに必要なアプリケーションを連携のチェーンから漏らす可能性がある」と指摘。EAIのカバー範囲とBPMのカバー範囲の不一致があるというのだ。

 花木氏がBPMの構築で勧めるのは「トップダウン型」の開発だ。「エンドユーザーに近いところからBPMを構築する」のがコツ。開発手順としては、ビジネスモデルに従ってプロセスのワークフローを定義する。その後にEAIの要件を明確にして、実装。最後にBPMを実装する。「BPMの定義を最初に確定することで、EAIインフラの必要条件が明確になり、連携の欠落、過剰投資を回避できる」と花木氏はトップダウン型のメリットを強調した。また、「BPMとEAIをセットで考えることで、アプリケーションレベルで投資効果、ユーザーメリットを訴求しやすい」という。

 サイベースの「Integration Orchestrator」はワークフローを論理モデルと物理モデルに分離してトップダウン型でBPMを構築できるEAI、BPMのソリューション。花木氏は「リアルタイムな社員の意思決定をBPMに組み込むことができる」とアピールした。

(垣内郁栄)

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