RPG言語をCurl+PHPへコンバートするソリューション

2003/3/29

 カール・アジアパシフィックとゼンド・オープンソースシステムズは3月28日、IBMのAS/400(iSeries)で利用されているRPG言語で開発したシステムを、ビジネスロジックを継承したままWebシステムにコンバートするソリューション・サービスを開始すると発表した。IBMのAS/400は現在、日本市場で2万社の導入実績を持つ。主に、中堅企業の基幹系業務利用やエンタープライズ企業の部門統括活用など、中規模マシンながら、その堅牢性を武器にミッションクリティカルな用途での利用が多い。

 しかし、AS/400の利点である堅牢性が、今ではレガシーシステムと成り果てる危険性を持っている。IBMでは、長年独自OSを搭載してきたAS/400にLinuxを組み込み、Webコンピューティングとの組み合わせを図るなど技術的な陳腐化を防ぐ措置を採っている。が、実際、基幹業務と密接に結びつきながら稼働する同システムをいかに刷新していくかで苦悩する顧客とは、多かれ少なかれ溝があることも事実。システムの全入れ替えを行えば問題は解決するのだろうが、顧客側としては「既存のシステムを生かしながら、最新環境に更新するのが望ましい」というのが本音だろう。

 両社が提供するサービスは、従来構築されてきたソフトウェア資産であるRPGのソースコードを、Curl言語とPHP言語によるWebシステムにコンバートするもの。Curlはティム・バーナーズ・リー氏が中心となって開発したアプレット言語であり、Webブラウザ上でリッチ・クライアントの機能を提供する。一方、PHPはデータベースとのWeb連携に優れたスクリプト言語であり、マイクロソフトのASPを抜いて世界一のシェアを誇るとの調査結果もある。

 クライアント側をCurlアプレットとし、サーバ側のPHPと組み合わせることで、データベースアクセスの高速化やバッチ処理などのサーバ処理を実現する。ベースとなるハードウェアは、AS/400上のLinuxを前提とするが、PostgreSQLへの移行も対応していく。

 なお、両社は、コンバージョン精度を(ソースコードの内容にもよるが)当初は70%程度と見込んでいるが、今後実績を増やすことで、1年後には95%にまで高めたい、としている。

[関連リンク]
カール・アジアパシフィック
ゼンド・オープンソースシステムズ

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