「柔軟な外資系になる」というCAの新アプローチ

2003/4/25

 コンピュータ・アソシエイツ(CA)は中堅企業向け製品の投入を柱とする新年度の販売戦略を発表した。同社の代表取締役社長 三ッ森隆司氏は、「日本で本格展開するには対象企業のすそ野を広げて、幅広い顧客にアプローチする必要がある」と述べて、中堅企業向けに日本独自の製品を出荷する考えを示した。

コンピュータ・アソシエイツ代表取締役社長 三ッ森隆司氏

 CAは同社の主力製品である運用管理ソフト「Unicenter」(ユニセンター)を日本で独自にパッケージ化して、スタートアップ版として中堅企業に提供する。製品の名称は「Unicenter Server Monitoring Agent Pack」(USMAP)。Unicenterファミリのサーバ、ネットワーク監視ソフト「Unicenter Network&Systems Management」に、日本語化した簡易インストーラや監視のレベルを3段階から選択できる初期導入用スクリプト、運用ガイドなどを追加して、パッケージ化した。CAのバックアップソフト「BrightStor ARCserve」と連携して、障害時のダウンタイムを最小にできるという。

 利用できる機能はCPUなどのリソース監視と、サービスの稼働監視、ログ監視、ネットワーク監視など。簡易インストーラを使えば、わずか6回のクリックで作業が終了するという。CAでは「専任の情報システム担当者がいない中堅企業でも簡単に導入、運用できる」と説明した。

 対応サーバのプラットフォームをWindowsに限定することで、価格を通常よりも低く抑えたこともUSMAPの特徴。初年度の保守料金込みの価格は、1ライセンスが13万円、5ライセンスが58万5000円、10ライセンスが105万3000円となっている。次年度以降の保守料金は年間3万4320円。CAではWindows Serverを5台程度使ってシステムを構築している中堅企業をターゲットにし、初年度に5億円の売り上げを目標としている。

 CAでは新年度の販売戦略として、中堅企業の開拓に加えて、ビジネス・コンティニュイティ(ビジネスの継続性)に関するソリューションパックを提供することも発表した。社内情報の保護や流出を防止する「セキュリティ管理ソリューション・パッケージ」、データのバックアップやリカバリを行う「データ管理ソリューション・パッケージ」、システム運用を自動化する「ネットワーク&システム管理・ソリューション・パッケージ」を提供する。価格は、個別にソフトを購入する場合の総額に比べて低く抑える予定。近く各パッケージの内容を発表する。

 CAは年初に「日本市場に本格展開する」と宣言し、製品の開発やパートナープログラムの変更など、日本独自の戦略を展開している。三ッ森氏によると、日本で独自開発し1月末に出荷開始した「BrightStor ARCserve Backup v9 for UNIX」は「非常に好評」で、2003年3月期の売り上げは前期に比べて、5%アップしたという。三ッ森氏は「今年から新卒の採用を開始する。日本に根付いた企業文化を育成し、“柔軟な外資系企業になる”」と述べた。CAは、中堅企業の開拓や各パッケージ製品の提供で、2004年3月期に前期比35%増の売り上げを狙う。

(垣内郁栄)

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