セコム、「情報セキュリティに力を入れたいが実需が……」

2003/5/13

セコムの代表取締役社長 木村昌平氏

 セコムが発表した2003年3月期の連結決算は、主力の警備サービスが好調で、売上高が前年同期比5.1%増の5232億円となった。ネットワークセキュリティや電子認証サービスなどの「情報・通信・その他の事業」は売上高が7.9%増加し、全体の売上増に貢献した。
 
 営業損益は69.5%増の729億円。純損益は前期から3.7倍の355億円だった。ネットワーク、データベース、情報セキュリティ、ソフト開発、GIS(地理情報システム基盤)、などの「情報・通信・その他の事業」(不動産、教育事業含む)は、売上高が1131億円で、前期から7.9%増加した。

 全体の売り上げに占める情報・通信・その他の事業の割合は21%で、それほど大きくはない。売上増の要因は不動産部門の成長にある。それでもセコムの代表取締役社長 木村昌平氏は、「サイバーセキュリティ事業に最も力を入れたい」と強調。「従来の警備サービスなどフィジカルなセキュリティと同時にサイバーなセキュリティを推進したい」と述べた。だが、企業がIT投資を抑制していることもあり、「実需が進展していないというのが正直な感想だ」と語った。

 セグメントとしての情報・通信・その他事業は、2004年3月期も「横ばいを見込んでいる」という。だが、人に持たせた端末でGPSの位置情報を取得して、非常時に緊急対処員が駆けつけるサービス「ココセコム」は2003年3月期に17万契約と好調。今下期には黒字化を見込んでいて、2004年3月までに22万契約を予測している。ITを活用した警備サービスが浸透し始めているようだ。

(垣内郁栄)

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