UPSをミッションクリティカルに、APC

2003/6/5

米APCの副社長兼アジア・パシフィック地域統括ゼネラルマネージャ ビル・セイヤー氏

 APC Japanはモジュール化したUPS(無停電電源装置)、分電盤、空調機器を19インチラックに収納し、システムの拡張に合わせて電源を追加できるデータセンター向けの電源・空調ソリューション「InfraStruXure」(インフラストラクチャ)を出荷すると発表した。米APCの副社長兼アジア・パシフィック地域統括ゼネラルマネージャ ビル・セイヤー(Bill Thayer)氏は「データセンターで使うUPSは20年前から変わっていない。問題が山積するレガシーなUPSではミッションクリティカルなネットワークに対応できない」と述べた。

 データセンターや企業のサーバルームでは、スペース全体にサーバやストレージを収めることを想定し、大型のUPS設備を構築。全ラックに対して単一のUPSから電力を供給するのが一般的となっている。しかし、データセンターのすべてのスペースにサーバが収まらない状態では、UPS設備の機能が過剰になってしまう。結果としてUPS設備の初期投資と運用管理コストが無駄にかかるケースが多いという。
 
 InfraStruXureは、UPSや空調機器をモジュール化し、ホットスワップにも対応。システムの拡張に合わせて、必要なUPSや空調機器を追加できるようにした。InfraStruXureをラック列ごとに設置することで、利用しているサーバやストレージだけを確実に保護できる。

APC Japanのラック収納型UPS「InfraStruXure」(Type B)

 UPSや空調機器をモジュール化することで、管理も簡単になる。従来のUPSではベンダの専門担当者が管理するのが普通だったが、InfraStruXureでは企業の情報システム担当者が、サーバ管理と同じようにUPSを管理できるようになる。APC Japanでは、「従来のUPSに比べて初期投資を22%削減、年間運用コストを47%減らせる」としている。

 InfraStruXureは利用するラック数によって3種の製品を用意。「Type A」はラックが1台〜10台のデータセンタで利用。「Type B」は10台〜100台、「Type C」は100台以上のラックを使う場合に利用する。価格はType Aの場合で100万円からとなっている。APC Japanは初年度に150セットの出荷を目標としている。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
APC Japanの発表資料

[関連記事]
同時多発テロ発生、被災したメリルリンチはPCを組み立てた (@ITNews)
「分散化が新しいは単なるイメージ」、ガートナーがサーバ統合を語る (@ITNews)
「次の波はグリッド」、インテルが新戦略 (@ITNews)
HPも自律コンピューティングで大規模iDC市場を攻める (@ITNews)
サン、スパコン級システムを107億3256万円のクラスタで (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)