empty portalを葬(ほうむ)れ! プラムツリーのスイート製品

2003/6/6

米本社製品管理兼マーケティング担当副社長 グレン・ケルマン(Glenn Kelman)氏(左)と日本法人代表取締役社長 有延敬三氏

 プラムツリーソフトウェアジャパンは6月5日、Webアプリケーションの統合製品「Enterprise Web Suite」を発表した。同製品は、これまでプラムツリーが提供してきた主要製品の最新バージョンをスイートとしてパッケージにしたもの。「Plumtree Corporate Portal 5.0」「Plumtreeサーチ」「Plumtreeコラボレーションサーバ3.0」「Plumtreeコンテンツサーバ5.0」で構成される。新機能として、開発キットである「PlumtreeエンタープライズWebデベロップメントキット(EDK)」も含まれる。

 来日した米本社製品管理兼マーケティング担当副社長 グレン・ケルマン(Glenn Kelman)氏は「現存する企業ポータルの30〜50%は中身のない、いわゆる“empty portal”だ」と話す。empty portalとはつまり、有効なアプリケーションやコンテンツがなく、企業紹介を行うホームページと機能的には大差ない存在を指す。

 最近、ガートナーは「SES(Smart Enterprise Suite)」という概念を提唱し始めた。これは、コラボレーションツールや情報検索ツール、コンテンツ管理、ビジネス・プロセス管理などの機能を統合したWebベースのアプリケーションスイート製品を包括的に示す概念だ。ガートナーでは、Webアプリケーション市場において、特定機能のみに特化したベンダは徐々にニッチ化していくと予測しており、プラムツリーのWebベースアプリケーションスイート投入の狙いは、まさにこのような市場動向に沿ったものと考えることができる。

 プラムツリーでは、ポータルシステムを「企業内外に存在する多種多様なアプリケーションを構築、管理、展開するための全社規模のフレームワークととらえている」とする。米国では、「フォーチュン100社のうち31社がプラムツリーの顧客」(ケルマン氏)で、HalliburtonやP&G、American Airlinesなどが「大幅なコスト削減や売り上げの増大を達成している」(ケルマン氏)と胸を張る。

 プラムツリーの日本法人が活動を開始してからまだ1年半。数千、数万、数十万の従業員を抱える大規模企業が主要ターゲットであり、現在では22社の顧客を有する状況だ。日本法人代表取締役社長 有延敬三氏は「日本のポータル市場はまだこれから」と新規市場開拓に意欲を見せた。

(編集局 谷古宇浩司)

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プラムツリーソフトウェアジャパン

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