PC管理を考え「インテルは1年間チップを変更しません」

2003/6/12

 インテルはソフトウェア・イメージを使って大量のクライアントPCに、OSやドライバ、アプリケーションを一括インストールしている企業を対象に、クライアントPCのハードウェア構成に変更があっても同一のソフトウェア・イメージを使い続けることができるようにする「インテル ステーブル・イメージ・プラットフォーム・プログラム」(SIPP)を開始すると発表した。チップやドライバ、通信インターフェイスを発表後、最低1年間は技術的な変更を加えないことで、ソフトウェア・イメージの互換性を守るというユニークな内容だ。

米インテルのセールス&マーケティング事業本部 副社長兼マーケティングソリューション市場開発事業部ディレクタ ジョン・デイビス氏

 クライアントPCを組織的に管理している企業では、PCのOSやアプリケーションを同じ環境にし、効率的にソフトをインストールするためにソフトウェア・イメージを使うことが多い。しかし、PCのハードウェア構成が頻繁に変わるとスムーズにインストールできなくなり、ソフトウェア・イメージを作り直したり、検証作業が必要になり、コストや時間がかかってしまう。米インテルのセールス&マーケティング事業本部 副社長兼マーケティングソリューション市場開発事業部ディレクタ ジョン・デイビス(John E. Davies)氏によると、「インテルにはPC管理に関するコストを下げてくれという声が多く寄せられていた」という。

 SIPPによりインテルは、モバイル向けプロセッサのCentrionoやデスクトップPC向けのPentium 4プロセッサに対応したチップセットと関連するドライバ、通信インターフェイスの技術的な構成を、発表後1年間は大きく変更しないようにする。また、これらのインテル製チップセットなどを組み込むPCベンダに対し、インテルが行ったチップセットへの小規模な変更をOSが無視するような仕組みをBIOSに組み込むように依頼する。デル、富士通、ヒューレット・パッカード、IBM、NECがSIPPに賛同していて、対応PCを出荷するとみられる。インテルが、デスクトップPC向けの新しいチップセット「865G」を発表したのは5月23日。企業が865Gに対応するソフトウェア・イメージを作成すれば、2004年5月まではソフトウェア・イメージを変更することなしに対応PCに対して利用できることになる。

 インテルは新製品のロードマップや移行ガイダンスを企業に提供。企業が新しいクライアントPCを導入する際の参考情報として利用してもらう。

 SIPPの背景には、「クライアントPCの管理、買い替えを計画的に行ってほしい」というインテルの思惑がある。インテルが示した資料によると、購入から3年が経つと、PCはハードウェアの障害やドライバの未対応、セキュリティ問題などで運用管理コストが増大するという。SIPPで、企業がクライアントPCの買い替えタイミングを判別しやすくする考えだ。

(垣内郁栄)

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インテルの発表資料

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