情報漏えい対策は経営トップから

2003/6/24

イージーシステムズジャパンの代表取締役 澁谷紳一郎氏

 イージーシステムズジャパンは、デジタル著作権管理技術を利用した情報漏えいの防止ソフト「ezFile Security」と「ezMail Security」を7月下旬に発売すると発表した。イージーシステムズジャパンの代表取締役 澁谷紳一郎氏は、「社員が無意識または故意に情報を持ち出すケースが増加している。3年かけて、ファイルそのものにセキュリティをかける技術を開発した」と述べた。

 ezFile Securityはオフィス文書など社内文書を暗号化し、閲覧期間の限定や印刷の禁止、保存の禁止などファイル単位で利用を制限できるソフト。暗号化した文書を読むには管理サーバから与えられたライセンスキーが必要で、企業情報の漏えいを防ぐことができる。管理サーバでは、暗号化の履歴や使用履歴、電子メール送信の履歴などをログとして保存することが可能。文書の意図的な流出などが発生した場合に、情報を漏えいさせた社員を特定できる。イージーシステムズジャパンは8種類の共通鍵暗号を組み合わせて、独自のキーを生成する暗号技術を開発した。

 ezFile Securityで暗号化し、履歴などを管理できるのは「Microsoft Office 2000」以降の「Word」、「Excel」、「PowerPoint」と、「Visio 2000」以降の各フォーマット。PDFやテキスト、リッチテキストなども管理可能。TIFFやBMP、JPEGなどの画像フォーマットも暗号化し、利用をコントロールできる。管理サーバは、Linux、UNIX、Windowsの各プラットフォーム上で稼働する。

 ezMail Securityは電子メールの本文と添付ファイルを暗号化するソフト。電子メール本文、添付ファイルに対して、閲覧や編集、印刷などの制限を加えることができる。内部文書を誤って外部に電子メールで送信してしまっても、受信者が電子メールを開封できないようにもできるという。対応するのは「Microsoft Outlook 2000」以降と、「Microsoft Outlook Express 5.0」以降。

企業の情報セキュリティについて講演した牧野二郎弁護士

 価格はezFile Securityが100ユーザーで600万円から。ezMail Securityが500ユーザーで600万円からとなっている。別にリースも用意していて、ezFile Securityが1ユーザー当たり月額4300円、ezMail Securityが1ユーザー当たり月額1300円。それぞれ10ユーザーから利用できる。

 会見では情報セキュリティに詳しい牧野二郎弁護士が講演。牧野弁護士は、「企業は情報が生まれた時の管理はできているのか」と指摘。企業や官庁による情報漏えいが起きる原因は、「セキュリティ保護のツールを経営者などマネジメントが使いこなせないから」と述べた。「セキュリティの事故に対しては、経営者の責任を徹底的に追求すべきだ」として、「情報セキュリティは経営責任になる」と強調した。

(垣内郁栄)

[関連リンク]
イージーシステムズジャパンの発表資料

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