“目で見て感じる”ネットワーク監視ツール

2003/7/19

 企業ネットワークで監視の重要度が増している。だが、大手ベンダのツールを導入するにはコストがかかる。その相場は、数百万〜数千万円といわれている。米ネットボッツは、そのネットワーク監視ツールマーケットに、60万円で少し毛色の変わったツールを投入した。

 ネットボッツが発売したのは、IPネットワークとサーバ環境を文字どおり監視できる「WallBotz 500」。IPネットワークのみならず、センサーや監視カメラを搭載し、サーバの温度や室内の湿度、不審者などをチェックできるのが特徴。ネットボッツ 社長兼CEO トム・ゴールドマン(Tom Goldman)氏は、この製品を「ネットワーク管理にコストをかけられない企業に、監視に必要な機能をオールインワンで提供する」と述べた。WallBotz 500は以下の機能がある。

  • SNMPトラップの状態管理(しきい値を超えた時点でメールによる警告)
  • DNS、Web、メールサーバのサービスを監視
  • 外部センサー監視(温度、湿度、露点、騒音など)
  • カメラ映像監視(解像度1280×1024ドット、音声の記録、ドア開閉センサー)

ネットボッツ 社長兼CEO トム・ゴールドマン氏と監視カメラを備えた「WallBotz 500」

 外部センサーとカメラは取り外すことができ、無線LAN(802.11b)を利用してデータをWallBotz 500に送信する。センサーやカメラは、サーバの近くなど、適切な場所に取り付けられる。外部センサーは17台、カメラは5台まで増設可能だ。また、別のネットワークマネジメント機器などと連携させることもできる。

 ネットボッツは大規模ユーザー向けに、複数のWallBotz 500を管理できる中央管理装置として「NetBotz Central 2.0」を8月に発売予定。監視データを1テラバイトまで保存可能。価格は未定だが、ネットボッツによると350万円〜400万円程度の予定という。

 ネットボッツは1998年に米国テキサス州オースティンで設立されたネットワーク管理ツールベンダ。すでに2100社が導入しているという。製品の導入実績としては、NASA(米航空宇宙局)やNASDA(宇宙開発事業団)などのほか、武蔵野美術大学、上野国立美術館など、カメラ機能を評価して導入されたケースもあるという。

 ゴールドマン氏は「ネットワーク障害を起こさないようにするには、原因となる人的要因や環境要因を監視していくことが大事である」と語り、ネットワーク障害に対してカメラで従業員などの出入りを監視できることや、外部センサーで温度や湿度を検知することのメリットをアピールした。

 国内の販売代理店はテクマトリックス。ネットボッツは、2002年度はワールドワイドで12億円を売り上げたが、今年度は日本市場での売り上げも含め、ほぼ3倍の30億円の売り上げを目標としている。

(編集局 富嶋典子)

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ネットボッツ
テクマトリックス

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