30万円で始めるIPセントレックス、NTT-MEが試用パック

2003/7/29

 NTT-MEは昨年10月に提供開始したPBXをアウトソーシングするIP電話サービス、「XePhion(ゼフィオン)コールIPセントレックスサービス」に、IPセントレックスサーバを複数のユーザー企業で共用する新サービスを追加したと発表した。合わせて通常より価格を抑えた「おためしパック」を100セット限定で用意。IPセントレックスサービスの導入を検討している企業に利用してもらい、サービスの品質や操作性を確認してもらう。

NTT-MEの取締役 VoIP&ソリューションビジネス本部長 矢野厚氏

 IPセントレックスとは、企業が使っているPBXの機能をIPネットワーク上に設置したサーバで代替するサービス。代表電話や転送などビジネスフォンの機能をIP電話で利用できる。PBXを社内に持つ必要がなくなるため運用管理費用が低くなり、内線番号の追加など組織変更にも柔軟に対応できる。

 共用型のXePhionコールIPセントレックスは、企業から専用線またはBフレッツ回線を使ってNTT-MEのIPネットワーク「XePhion」に接続し、IPセントレックスサーバを利用する。NTT-MEの「XePhion IP-VPN」サービスと組み合わせることで、企業のデータ通信と音声通信を統合することも可能。共用するIPセントレックスサーバは、最大で20万件程度まで電話番号を設定できるという。

 共用型XePhionコールIPセントレックスの月額費用は、基本料が1番号1000円。2番号以降は1件当たり600円になる。初期基本工事料は2万円から。外線の国内通話料は3分8円で、国際通話も利用できる。

 NTT-MEによると、昨年10月から提供している専用型XePhionコールIPセントレックスサービスは、PBXを自社で運用するような大企業向きのサービスで、PBX機能を柔軟にカスタマイズできるのが特徴。顧客企業は、ネットワークを構築する機器ベンダも指定できる。それに対して今回発表した共用型は、自社でPBXを持たない中小規模の企業が対象。顧客企業はベンダの指定などサービスのカスタマイズはできないが、初期投資を抑えてサービスを利用できる。

 NTT-MEの取締役 VoIP&ソリューションビジネス本部長 矢野厚氏によると、専用型と共有型で機能面の大きな違いはない。共有型でも「一般企業で利用するPBXの機能は網羅している」という。他社のIPセントレックスサービスの多くが、標準で利用できるPBX機能を限定しているのに対し、XePhionコールIPセントレックスは、20以上のPBX機能を標準で提供するのが特徴だという。

 NTT-MEは共用型XePhionコールIPセントレックスを手軽に利用できるおためしパックを100セット限定で用意。おためしパックは、ヤマハのVPNルータを1台と、プラネックスコミュニケーションズのスイッチングハブを1台、三洋マルチメディア鳥取のSIP多機能電話機5台をセットにしたサービス。これらの機器をそろえると通常は52万円弱するというが、8月1日〜31日までに専用のWebサイトで申し込むと、キャンペーン価格の29万8000円で購入できる。サービスを利用するには、ほかに月額費用とXePhionインターネットVPN、Bフレッツの利用料金が必要。NTT-MEでは、「本格導入を決める前にサービスの品質や操作性、運用性、経済効果を確認できる」と特徴を説明した。

(垣内郁栄)

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NTT-MEの発表資料

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