IBMが貴社のワークスタイルを変革します

2003/8/23

 「IBM ビジネスコンサルティング サービスを未来企業の実験室と定め、ワークスタイルを強引に変革している」。日本IBMとインターウォーブン・ジャパンが共催した「オンデマンド・ワークプレースとコンテンツ管理セミナー」で講演した日本IBMのソフトウェア事業 エンタープライズ・セールス ソリューション営業部 部長 森則之氏は、こう述べて、日本IBMが取り組んでいるワークスタイル変革を説明した。

日本IBMのソフトウェア事業 エンタープライズ・セールス ソリューション営業部 部長 森則之氏

 森氏が指摘した企業におけるワークスタイルの問題点は、情報が個人の引き出しに入っていて全社で活用できない、顧客企業を訪れる時間がない、無駄な会議が多い、研修に強制的に参加しても身に付かない、トップマネジメントの意思決定が遅い、組織を超えて助け合うことが少ない、など。日本IBMは、IBM ビジネスコンサルティング サービスを未来企業の実験室と定め、「外科療法による変革」(森氏)を行った。具体的にはキャビネットやペーパーの没収、個人の椅子と机の撤廃、大会議室の閉鎖、2、3人用の小会議専用エリアの新設、役員室の撤廃と役員が集まる役員ゾーンの設置などだ。組織も階層型から、個人同士が緩やかにつながるネットワーク型に変更した。

 これらは未来企業の実験として強行した措置。変革の結果、さまざまな問題が出てくるのは覚悟していた。変革によって分かった問題点に対しては、ITを生かしたサービスを提供。オフィスをデジタル化し、ペーパーをなくし、社外のどこでも仕事ができるようモバイル化を推進。ネットワーク上でミーティングができるようにもした。さらに研修についても多くの社員が1度に集まるのではなく、必要なときに必要な内容を学ぶことができるオンデマンド遠隔教育を導入した。

 日本IBMがこのような変革を行ったのは、IBM ビジネスコンサルティング サービスの業務を効率化させることだけが目的ではない。実験で効果が高かった対策とITサービスをソリューションとしてまとめて、顧客に提供するのが本来の目的だ。日本IBMはこのソリューションを「On Demand Workplace」と名付け、提供し始めている。

 On Demand Workplaceはポータルサイトを中心としたソリューション。「WebSphere Portal Server」を基盤にLotus DominoやTivoli製品、DB2などと連携し、社員に対しポータルのサービスを提供する。ポータル導入前に業務を分析し、効果を算定、必要な機能を定義するコンサルティングサービスも展開。日本IBM内部で導入した経験から、ポータルに必要なアプリケーションをパッケージ化したソリューション・ライブラリも用意し、短い期間でベストプラクティスを導入できるようにした。

 日本IBMは1時間半でOn Demand Workplaceを体感できるワークショップも用意。IBMが10年間行ってきたワークスタイル変革の紹介や、実際に導入した場合の効果シミュレーションなどが利用できるという。

(垣内郁栄)

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