音声・データ統合を促進させる、ノーテル

2003/9/26

 ノーテルネットワークスは9月25日、エンタープライズ向けのレイヤ2スイッチの新製品を発表した。さらに、同社のビジョン「One Network A World Of Choice」を具現化した新戦略である「サービス・セントリック・ネットワーキング」戦略も同時に発表。この戦略は、高速でシンプルかつ信頼性の高い企業ネットワークを構築し、音声やデータなどを統合的かつ単一のネットワーク上で提供しようというもの。今回発表された新製品もこの戦略に則っている。

 発表したのは、中〜大規模企業向けのレイヤ2スイッチ「Baystack 5510-48T Switch」と「Baystack 5510-24T Switch」、アジア市場向けに開発された小〜中規模ネットワーク向けのレイヤ2スイッチ「Baystack 425-24T Switch」の合計3製品。

ノーテルネットワークス プロダクトマネージメント ディレクタ ポール・ウッドラフ氏

 ノーテルネットワークス プロダクトマネージメント ディレクタ ポール・ウッドラフ(Paul Woodruff)氏は、「企業ネットワークは急激に高速化、複雑化している。米マインドウェーブ・リサーチの調査結果では、ノーテルの顧客企業のうち、30%が音声とデータの統合を完了し、61%は今後5年以内に統合するという。そこからも音声や動画などのデータ統合がいま最も求められていることが分かる」と述べた。

 ウッドラフ氏は「今回発表するスイッチも、ユーザー企業の体力に応じて、高速化、冗長化、また、いかなるアプリケーションの利用にも応えられるネットワークの土台を築けるよう、拡張性も考慮して設計した」と語った。

 製品の特徴は、中〜大企業向けレイヤ2スイッチBaystack 5510-48T Switchは、48個の10/100/1000Mbps自動認識ポート、2つの光ファイバ対応のGBIC(Gigabit Interface Converter)を収容。最大8台までスタックでき、最大384個の10/100/1000Mbps自動認識ポート、16個の光ファイバ対応GBICに対応する。スタック時のデータ転送は、各スイッチにつき80Gbpsの帯域で最短ルートで行える。

 そのほか、802.1xセキュリティEAP(Extensible Authentication Protocol)、RADIUS認証を標準でサポートしたほか、SSHv2(Secure Shell Access)やレイヤ3ルーティングも今後サポートを予定している(ソフトウェアによるアップグレードサービスで対応可能)。

 さらに同製品には、冗長性の向上のため、各スイッチ間の複数の経路を論理的に1本のリンクとして束ね、二重化構成によって耐障害性を高めながら、負荷分散機能を提供するノーテル独自のDMLT(Distributed MultiLink Trunking)技術が搭載されている。

 Baystack 5510-24T Switchは、Baystack 5510-48T Switchのポート数を半分にした製品。両製品とも11月出荷予定。

 中小企業向けのレイヤ2スイッチのBaystack 425-24T Switchは、アジア市場を狙った省スペース設計となっており、スタックモジュールを筐体内に収めるなど工夫が見られる。10/100Mbps自動認識ポート、アップリンクポート、10/100/1000Base-Tとして利用できる2つのコンボポートを搭載している。こちらは10月に出荷する予定だ。

(編集局 富嶋典子)

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ノーテルネットワークスの発表資料

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