技術トレンドに即応するFW/VPN、SonicWALL

2003/10/7

SonicWALL日本オフィス代表の後藤聖治氏

 米SonicWALLは新しいハードウェアプラットフォームを導入し、OSを一新したファイアウォール/VPNアプライアンス「SonicWALL PRO 4060/PRO 3060」を国内で11月4日に出荷開始すると発表した。SonicWALL日本オフィス代表の後藤聖治氏は「技術トレンドの次のうねりに対応できるようファームウェアレベルで変更を加えた。今年末から来年にかけて製品ラインアップを新プラットフォームの製品に一新する。PRO 4060/PRO 3060はその第一弾となる」と述べた。

 SonicWALLの新しいハードウェアプラットフォームはPentium 4 2GHzを搭載し、ファイアウォールやVPNなどの処理を高速に行えるのが特徴。SSLとIPSecの暗号化はボードに搭載した専用ICで行う。また、将来の機能追加のためにファームウェアをアップグレードできるようにした。

 SonicWALLは、OSも新たに開発した。エンタープライズ向けのPRO 4060には、2つのインターネットサービスプロバイダの回線でフェイルオーバーやロードバランスを取ることができる「SonicOS Enhanced」を搭載。SonicOS Enhancedはさまざまなネットワーク環境に対応し、設定を柔軟に変更できるのが特徴。VPNクライアントに対して、個別にアクセスできるWebサイトを設定することなどができる。中小規模企業向けのPRO 3060は、SonicOS Enhancedの機能限定版で、ユーザーの使いやすさを重視した「SonicOS Standard」を搭載。ウィザードを使った設定で、素早くセットアップできるようにした。別オプションでSonicOS Enhancedにアップグレードすることもできる。

11月4日に出荷される「SonicWALL PRO 4060」

 PRO 4060は6つのイーサネットインターフェイスを搭載。ファイアウォールのスループットは最大300Mbs、VPNのスループットは最大190Mbpsとなっている。同時セッション数は50万。付属するグローバルVPNクライアント数は1000。価格は初年度のサポート料込みで105万円。PRO 3060も6つのイーサネットインターフェイスを搭載。ファイアウォールのスループットは、PRO 4060と同じ最大300Mbsだが、VPNのスループットは最大75Mbpsとなる。また、同時セッション数は12万8000が最大となっている。価格は初年度サポート料込みで67万円。

 SonicWALLは低価格戦略が市場の支持を受けて、シェア、売り上げを伸ばしているようだ。米SonicWALL ワールドワイド・マーケティング担当副社長 ダグラス・ブロケット(Douglas Brockett)氏によると、SonicWALLのファイアウォール/VPNアプライアンスは、世界ですでに38万台の出荷実績があり、2002年にはシスコシステムズに次いでシェアは第2位となった。2003年第2四半期(4−6月)の売り上げは前期から5%アップの2140万ドル。ブロケット氏は売り上げ増の要因を「コンテンツフィルタリングなどオプションサービスが成長の原動力になっている」と指摘。2004年前半にもSSL-VPNやワイヤレスネットワークに対する不正侵入検知のオプションサービスを始めるとし、オプションサービスからの収入増につなげる考えを示した。日本以外の市場ではすでに導入しているコンピュータ・ウイルス対策のサービスも国内での開始を検討している。

(垣内郁栄)

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SonicWALLの発表資料

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