ビジネス・プロセスの管理・制御もOpenViewで、HP

2003/10/9

米HPのシニア・バイス・プレジデント ソフトウェア・グローバル・ユニット・ゼネラルマネージャ ノラ・デンゼル氏

 「アダプティブ・エンタープライズ戦略というコンセプトは顧客から評判が悪い」。日本ヒューレット・パッカードの代表取締役会長兼CEO 寺澤正雄氏はそうこぼす。その心は「コンセプトの中身がうまく顧客に伝わっていない」(寺澤氏)ということ。「世の中の変化に対する適応力を備えた製品とサービスをトータルに提供すること」と説明をすれば、「(顧客には)すぐさま納得していただけるのだが、説明をしなければなかなかうまく伝わらない」のが「アダプティブ・エンタープライズ戦略」の知名度の現状であり、同社としては、さらなる“啓蒙活動”に力を入れていく必要性を強く感じているという。

 そんな「アダプティブ・エンタープライズ戦略」に10月8日、新たなコンセプトが追加された。同戦略を強化する運用管理面での新たなコンセプト「アダプティブ・マネージメント」である。さらに、同コンセプトを実現するHP OpenViewの新製品も発表した。同社によると「アダプティブ・マネージメント」は、従来の運用管理の考え方の枠を超え、ITの運用状態を評価し、ビジネスが判断材料とする管理情報を提供するサービスまでも含む考え方であるという。

 ここでいう「従来の運用管理」とは、例えばアプリケーション・サーバなどのミドルウェア層を中心としたITリソースのパフォーマンス管理を指す。「アダプティブ・マネージメント」は、その上位レイヤ、すなわち企業のビジネス戦略とITを密接に結びつけ、経営の状況によって、素早く、柔軟に企業システムも変化させることが可能なコンセプトである。つまり、複雑な異機種混在環境を自在にコントロールしたり、実用可能な製品を自由に配備したり、ITリソースをビジネスニーズに合うように調整したりする「ポスト・データ・センター」構想の一環といえる。

 来日した米HPのシニア・バイス・プレジデント ソフトウェア・グローバル・ユニット・ゼネラルマネージャ ノラ・デンゼル(Nora Denzel)氏は、このようなHPの構想が実現するには「あと4〜5年はかかる」と話す。とはいえ、「アダプティブ・エンタープライズ戦略については、年間25億ドルの研究開発費予算を組み、これを実現するソフトウェアの研究、開発には年間8億ドルを費やして」おり、IBMをはじめとした競合ベンダと比較しても、その実現は早いと自信をみせる。

 「アダプティブ・マネージメント」を実現する新製品は、「リソース管理」「サービス管理」「ビジネス・レイヤ管理」の3つのカテゴリに分けて提供する。「リソース管理」面は、ネットワーク環境、ITテレフォニー管理、Windows管理といったインフラストラクチャの管理制御を行う製品で構成し、「サービス管理」面は、顧客企業のビジネスを対象に、SLA(サービス・レベル・アグリーメント)を順守するための部署間での運用プロセスの手順化を管理する製品などで構成する。「ビジネス・レイヤ管理」では、Webサービスを基盤としたコンポーネント(ERP、CRM、SCM、EAI、BPM)同士の連携、運用時の各フローでのパフォーマンスやシステム全体のスループットを管理する製品などが含まれる。

(編集局 谷古宇浩司)

[関連リンク]
日本ヒューレット・パッカードの発表資料(1)
日本ヒューレット・パッカードの発表資料(2)

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