ストレージベンダから脱皮を図るベリタスの今後

2003/10/9

米ベリタスの会長兼社長兼CEO ゲイリー ブルーム氏

 ベリタスソフトウェアは同社の「ユーティリティ・コンピューティング」戦略を実現する新ソフトを、今四半期から集中的に投入する考えを示した。同社のプライベートイベント「VERITAS VISION 2003 JAPAN」で講演した米ベリタスの会長兼社長兼CEO ゲイリー ブルーム(Gary Bloom)氏は、同社のユーティリティ戦略について、「企業システムの複雑性にベリタスのソフトをかぶせ、共有化されたインフラをエンドユーザーが活用できるようにする技術」と説明。ストレージベンダのイメージが強いベリタスをユーティリティ・コンピューティングを得意とする総合ベンダに脱皮させる考えを強調した。

 ベリタスのユーティリティ戦略は、ストレージ、サーバ、アプリケーションについて、それぞれ可用性、パフォーマンスを改善し、管理を自動化することで実現する。ストレージだけでなく、サーバのリソースを仮想化し、必要なアプリケーションに割り当てる。システムに障害が起きそうな際には、予防的に検知し、必要な対応を自動で取らせることもできる。あらかじめ設定したサービスレベルやポリシーに沿ってシステムを運用できるなど、IBMやヒューレット・パッカードなど他社が提唱しているユーティリティ・コンピューティングのモデルに近い。

 ベリタスはユーティリティ戦略を達成するため積極的にソフトベンダを買収し、必要なソフトを取り込んできた。ベリタスが年内中に日本語版を発売する「VERITAS I3」は6月末に買収を完了した米プリサイス・ソフトウェア・ソリューションズの製品をベースに開発。サーバやデータベース、ビジネス・アプリケーションのレスポンスタイムを監視し、障害が起きた場合は自動で解決し、パフォーマンスを最適の状態に維持する。

 ユーティリティ・コンピューティングに欠かせないサーバ、ストレージの自動割当には、「VERITAS OpForce」を利用する。OpForceは英語版が年内中に国内で発売する見通し。ポリシーベースでストレージを管理する「VERITAS Foundation Suite」もRed Hat Linuxやインテルのプロセッサ「Itanium」に対応させる予定となっている。あらかじめ設定したサービスレベルやコストに従ってシステムを運用し、“ITの司令塔”の役割を果たすという「VERITAS CommandCentral Service」も国内出荷を目指す。

 ユーティリティ・コンピューティングは、ベリタスのほかに主要なITベンダが提唱している考え方。しかし、ブルーム氏は「ハードベンダが展開するユーティリティ・コンピューティングは自社ハードの利用が指定される。しかし、ベリタスのユーティリティ・コンピューティングは、企業が持つ既存のヘテロジニアスな環境で実現できる」と述べて、ハードベンダに対するソフトベンダの優位を説明した。

 ブルーム氏によると、ベリタスは2003年第2四半期(4-6月)に四半期ベースで過去最高となる4億1300万ドルの収益を上げた。手持ちのキャッシュは2003年第2四半期で24億ドル。ブルーム氏は「多くのベンダでは米国と海外法人の売り上げ比率は50%ずつ。しかし、ベリタスの海外収益は全体の39.1%」と説明し、「日本など海外法人はもっと売り上げを伸ばす余地がある」と述べた。

(垣内郁栄)

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ベリタスソフトウェアの発表資料

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