金融分野に勝利の旗を立てられるか? SAP+アクセンチュア

2003/10/22

提携強化発表にのぞむアクセンチュアとSAPジャパン両首脳陣

 アクセンチュアとSAPジャパンは10月21日、国内の金融市場(保険・リース業界)を対象としたITソリューションの開発やサービス提供で提携を強化すると発表した。

 すでにワールドワイドレベルでは9月に金融市場をターゲットとした密接なパートナーシップを締結している両社だが、「国内の金融市場は海外と比較してコスト構造の改善が遅れている」(SAPジャパン 代表取締役社長 藤井清孝氏)ことから、国内での関係をさらに強めることで、国内金融市場に対する両社のプレゼンスを高めていきたいとする背景がある。アクセンチュアの金融専門部隊約250人の中から30人程度を専門要員として選抜、SAPジャパンの金融セクター要員30人と合わせた形がスタート時の国内での人員体制となる。これら要員は主に、共同で営業やサポートを行う。

 今回の合意に基づき、アクセンチュアとSAPジャパンは、国内の保険、リース業界の業務効率化および運用コスト削減、業績向上といったキーワードのもとに製品開発、サービス提供を行っていく。アクセンチュアによると金融業界が今後追求するべきシステムモデルとは、システム機能をコンポーネント化し、「顧客サービスの観点から差別化すべき機能」と「業界共通で徹底して効率化を図るべき機能」を分けて構築するものであるという。

 つまり、企業ごとに差別化を図る顧客サービス機能については各社独自の仕様に基づいたシステム開発が必要だが、商品処理機能などを担う基幹系システムは、業界標準のパッケージを採用し、なおかつ共同化・アウトソーシングを積極的に活用することで、コストの削減を狙うべきである、という考えである。このような顧客管理や代理店・営業店管理システム、契約管理システム、勘定系システムなどの基幹系需要について、両社は最大6600億円規模の市場と試算しており、3年間で500億円、5年間で1000億円の受注(システム・インテグレーションの受注)を目指す。

(編集局 谷古宇浩司)

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