「VBの倍の開発生産性」というJavaベースの開発ツール、IBM初公開

2003/11/14

日本IBM 常務執行役員 ソフトウェア事業部長 堀田一芙氏

 日本IBMは、札幌で開催された中小企業ユーザー総会第14回iSUC会(主催:全国IBMユーザー研究会連合会)において、現在開発を進めているJavaベースの新開発ツール「ソウル(開発コードネーム)」を初めて一般に公開。正式リリースは来年春を予定しているが、ソフトウェア事業を担当する同社 常務執行役員 堀田一芙氏は、「Visual Studio .NETと比較してみても、倍近く生産性が高い」と強気な見方を示している。

 新たな開発ツールを提供する狙いを堀田氏は、「Linuxベースのシステムを大企業だけでなく、中小企業レベルまで拡大することを狙っているものの、中小企業ユーザーは大企業ユーザーのように複数のプラットフォームを保有することに慣れていない。そうなると、前段階としてLinuxのソフトウェアパッケージをそろえていくことが不可欠で、技術支援、ミドルウェアの整備とともに開発ツールを用意する必要がある。特に開発ツールは、マイクロソフトのVisual Basic並みに使いやすいものが必要」だと説明する。

 ワールドワイドで開発が進み、日本語版については日本IBMの大和研究所が担当し、すでにかなり完成に近づいているものの、リリース時期については「Javaの場合、メーカー側の意向だけで製品発売ができない。正式製品リリースのためにはJSFの仕様が決定する予定の来年春を待ち、認定を受けたうえで発売することになるだろう」という。

 iSUCの会場では、「デモで検証 .NETとWebSphere」のタイトルのセッションの中で、「WebSphere Studio RADツール」の名称でデモが行われた。

 デモでは明らかにならなかったものの、開発コードネームとなっている「ソウル」は、かつてDomino DesignerとWebSphere Studioの統合を実現するためのプロジェクトで使われていた開発コードネーム。2つの開発ツールの統合が進んでいく段階で、J2EE側の進化が進んだことから、2つのツールの統合という側面よりも、J2EE環境のビジュアル開発ツールという面がクローズアップされることになったようだ。

 堀田常務によれば、「Visual Basicを使って開発されたサーバを持つ企業ユーザーから、メインフレームのレガシーシステム並みにプログラムが複雑化し、その後のメンテナンスなどがしにくくなって、非常に困っているという声が寄せられている。IBMとしてこの問題に答えを提供するという狙いも持っている」という。ソウルがLinuxベースのサーバシステムを増加させることにもつながるとの見方を示す。

 製品が完成してもすぐにリリースすることができないことから、「IBM側の意向だけで商品として発売することはできないものの、無料なら提供できる。ベータ版をWebSphereにバンドルしてしまうことができないか、検討している」(堀田常務)という。

(三浦優子)

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