自動車業界向けプロジェクト管理ツール、SAPジャパン

2003/11/18

 SAPジャパンは17日、製品開発時の情報共有と開発プロジェクトの進行管理、開発手順管理などを行うPLMソリューションとして、「cProjects Suite 3.0 日本語版」を出荷すると発表した。

 cProjects Suiteは同社の製品ライフサイクル管理ソリューション「mySAP PLM」の一部を構成する製品群で、「デザイン・コラボレーション」「コラボレーティブ・プロジェクト管理」「品質コラボレーション」など、主に製造業の製品設計・開発フェイズで、ビジネスプロセスを明確にすることで迅速な判断を行うための情報を提供し、コンカレント・エンジニアリングなどを実践するうえで情報共有を行うためのツールとなる。

 cProjects Suiteは、「cProjects」「cFolders」の2つの要素からなる。「cProjects」は製品開発などの開発プロジェクトのスケジューリングや成果物を管理するソリューション。

 ガントチャート(ドラッグ&ドロップ操作にも対応)などの形式でスケジュールを管理でき、プロジェクトはテンプレートを使って構築していくことができる。クリティカルパス、日程計算なども自動的に行われ、各フェイズでの成果物(ドキュメントやCADデータなど)を関連付けて管理することができ、そのためのチェックリストも装備する。同一のプロジェクト内容の多言語記述も可能となっている。

 最大の特徴は、自動車業界における品質計画実施手順書のAPQP(Advanced Product Quality Planning:先行製品品質計画)に準拠した製品開発手順管理や、PPAP(Production Part Approval Process:製品計画承認プロセス)準拠の承認管理をサポートしていること。APQPのクオリティゲート、チェックリストなどの考え方を取り入れ、そこで定義されている手順を電子的に運用するための機能を搭載している。チェックリストの承認手順もPPAP準拠したワークフローを構築することができる。

 一方、「cFolders」はフォルダ形式で情報を共有するためのツール。ドキュメントやCADの図面データなどの電子ファイル、品目・部品表、調達などの価格決定までのやり取りのデータなどをフォルダ単位で、一元的に管理し、Webブラウザを介してメンバー間で情報の共有化を図るソリューション。フォルダに権限を割り振り、アクセスコントロールを行うことができ、掲示板機能、自動通知機能なども装備する。社内部門や社外パートナー企業と情報を共有する場合のほか、複数の外部パートナーが競争入札をする場合などでも利用可能になっている。

 cProjectsとcFoldersは、相互に連携してcProjectsの成果物をcFoldersに登録するといった統合的な利用ができるほか、SAP R/3のPS(プロジェクト管理)機能、文書管理機能との統合も可能となっている。cProjectsとSAP R/3のPS機能の使い分けについて、SAPジャパン プロフェッショナルサービス事業部 PLMコンサルティング部 久次昌彦部長は、「コスト管理やロジスティクスとの連携などの機能は、cProjectsにはない。プロジェクト全体のコスト計算、プロジェクトをベースにした調達管理はPSで行い、設計段階のより頻繁に変更や調整が必要な日程管理を簡単に行うといった使い方がcProjectsでは想定されている」という。また、cProjectsは、Microsoft Projectデータの取り込みが可能となっている。

 SAP製品群全体の中での位置付けは、ポータルの中の1機能、PSAやCRMに組み込まれるものとして利用され、SAP xApps のツール群の1ファンクションとして機能するものになるという。

 これまでにワールドワイドでは400サイトで導入され、その平均導入期間は3カ月から6カ月。価格は、cProjects Suiteが1200万円程度から。cFoldersは単体で10万8000円(1ユーザー)で、400万円のパッケージ導入サービスが用意される。

 主なターゲットは、自動車部品メーカー、ハイテク、化学、繊維メーカーをはじめとする製造業全般で、一部生保などにもニーズがあるという。今後1年で50社程度の導入を目指す。

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SAPジャパンの発表資料

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